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小説まとめ

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僕の書いた小説の類いをまとめました。
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#ショートショート

プロローグ #毎週ショートショートnote『無人島生活福袋』

皮膚を焼き焦がすような陽射しと、さざめく波の音で目が覚めた。 その日僕は、友人と釣りをし…

camyu
6日前
80

霧中の先 #シロクマ文芸部「霧の朝」

霧の朝、目を細め、 一歩一歩足下を確かめながら、 歩を進める。 進む程に霧は濃くなり、 や…

camyu
8日前
84

夢の中の殿 #毎週ショートショートnote『この中にお殿様はいらっしゃいますか』

よく学生時代の夢を見る。 教室がいつのものなのかはわからないし、クラスメイトも中学高校が…

camyu
4週間前
98

理想論 【ショートショート:約1400字】

てる子さんの記事から生まれた作品です。 「俺、デスノート好きなんだよね」 恋人の翠朗が言…

camyu
1か月前
107

カスミの切り絵 #秋ピリカグランプリ2024応募

チョキチョキチョッキン、 チョキチョキチョッキン。 カスミが紙を切ると、 紙が生きてるみた…

camyu
1か月前
128

夢の跡 #毎週ショートショートnote「バンドを組む残像」

同窓会のその日、僕らは学校を訪れていた。 「本当なら、俺らここでバンド組むはずだったんだ…

camyu
1か月前
83

大禍津日神の憂鬱 #毎週ショートショートnote「残り物には懺悔がある」

「こんな物しか出せなくて、本当に申し訳ない限りですわ」 店主の悔しげな表情が申し訳なさを物語っている。 「一体どうなすった」 気になった客の男が問いかけた。 「本当なら今の時期は、油の乗った秋刀魚や甘く熟した柿なんかをお出しするんですがね、この異常気象でどうにも出来が良くない。良い物はたいそう値が張るんですわ。お兄さん今日最後のお客だから、残りものしか出せなくてね」 話を聞いた男は「なるほど」と、こちらも申し訳なさそうな顔をした。 男は災害を司る神、オオマガツヒノカミだ

誘惑銀杏 #毎週ショートショートnote

ある日のこと、ぶらぶら散歩していると、植え込みの辺りに銀杏が一粒落ちていた。 皮は剥けて…

camyu
2か月前
105

黒幕の涙 #毎週ショートショートnote「黒幕甲子園」

その年の夏の甲子園大会、初出場の私立松緒高校が旋風を巻き起こし、決勝に進出した。 売りは…

camyu
3か月前
83

迷宮入り #毎週ショートショートnote「鋭利なチクワ」

「死因は失血死だそうです」 俺は先輩と二人、殺人現場に向かっていた。 「失血死か」 「は…

camyu
3か月前
74

同級生 #毎週ショートショートnote『リベンジトリートメント』

「このトリートメント、私たちでもなかなか手に入らない貴重品なの」 丹念に、客の髪に揉み込…

camyu
4か月前
65

海のピ。 #毎週ショートショートnote

「えーっと、プだったっけ?あれ?ぺだったかな…」 「ピでしょ、ピ。海のピでしょ、お父さん…

camyu
4か月前
84

天の川de文春砲 #毎週ショートショートnote『彦星誘拐』

厳密に言うと、今年は七夕が無かった。 どういうことかって? 七月七日の七夕のその日に、彦…

camyu
4か月前
71

下ごしらえは丁寧に。 #毎週ショートショートnote「一方通行風呂」

「あれっ、ここ一方通行かよ」 番組制作の為のロケハンの帰り道、男はカーナビの表示に騙され一方通行の道に入ってしまった。 「こんな山ん中で迷子かよ、まいったね」 Uターンする場所も見当たらない。 仕方なく車を走らせていると建物が視界に入った。車を停め、側まで行く。どうやら入浴施設のようだ。 「ふーん、番組で使えるかも知れないし、ひとっ風呂浴びてくかぁ」 入口には『ご自由にお入りください』の文字。ご丁寧に貸出用のタオルまで用意されていた。 中に入ると、始めに『マッサ