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重いドアの向こう側。スナックにはどんな人がいるだろう?

墜落しないよう人に小さく頼りたいと日々考える私は、ケアに特別関心がある。

23歳。健康で、親も元気、子供もいない。

だけど、子育て・介護・自分の健康。
「墜落防止」以上の、周囲からのケアがこれから必要になることは明白。

そのケアが必要になった時、日本のケア体制はどうなのか?

...なんてことが気になってしまう私に、少しだけ付き合っていただきたい。

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気になる私は、大学OBで医師の森田洋之さんにインタビューする機会をいただいた。

森田さんは、夕張市市立診療所の元院長。
財政破綻で総合病院がなくなり、病床が171床から19床になった夕張市。
それにもかかわらず、死亡率に変化はなかったという。

これが可能だったのは、住民の意識改革、医療介護体制の再構築、それから社会地域の相互結びつきだと森田さんはいう。

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それでどう思った?

医療、ケアと聞くと、立ち入ってはいけない!とまで感じる「専門・プロの領域」感。
年齢的にも、医療・ケアを「まだ関係のない話」と認識していた。
けれど、今私がスナックで享受している”小さな”ケアが、将来必要な大きなケアに地続きでつながっているのかも、と思ったのだ。

私がスナックで受けている”小さな”ケアとは

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スナックにはどんな人がいるだろう?

想像通り、50-60代くらいの男性がボリュームゾーン。70代も太客だ。
しかし当然、女性も、例えば性転換された方も、右腕を事故で無くされた方も、社長さんも、パチンコでひと負けしてきた方も、ママを前にして同じカウンターに横一列で並ぶ。
ちょっとした、しかし決して交わることのない、考え方や境遇の違い。
その幅は広い。でも、そういった小難しいことは一旦横に置いておいて。
一緒に飲んで歌って、なんとなく「良い湯だな〜」的一体感を感じる。
そして「じゃまた!」と、それぞれの家路に着く。
これが、スナックのオツな部分だと思う。

この湯煙立ち込める混浴大浴場に、密かに癒されているのがこの私だ。

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毎週アップデートされるママのかかりつけ医の話。最近悪い膝の話。
大丈夫と言っても頂いてしまうママのナポリタン弁当。
常連さんが通っている健康麻雀、カーブス。ご近所さんの恋愛噂話。

色んな人がこの町で暮らしているという当然のことを、再認識させてくれる。「自分もまあ、もう少し頑張ろうか」と気持ちを上向きにさせてくれる。私はこの場の持つ不思議なエネルギーに、ちょっと頼って、ちょっと甘えている。
このインタビューを通して、そんなことを再認識した。

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スナックは、どこまでもエンターテイメントの場だと思う。
でも、私が墜落しないように知らず知らずに頼っていた
人との小さなタッチポイント。
それが地域の大きなケア体制の一端を担っているかもしれない。
そう思っても良いかな、どうかな。

「そういえば、あの人最近元気かしら?」
そう言ってママは、常連さんにメールを一通送る。

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