料理

出てきた言葉という料理を
その鮮やかなスープを眺めてみれば

それは確かに
お皿も盛りつけ方も
具材もスプーンさえもが凝っている

それなのに
ふっとすくい上げて一口
唇の奥へと流し込んだ途端
生臭さと共に痛みが走る

棘が混入していたのだ

いや混ざっているんじゃない
実際はそれが
そういった語彙の表現の
そこにあることこそが
その料理の本質なのだから

そばで滔々と
そのつくりものにつくり方に
料理について熱弁している料理人の顔は誇らしげだが

棘があるべき場所と
あってはならぬ場所の区別がつかないほど

そのうんと長い帽子は
味に舌触りに無頓着である

視覚ばかり気にして
味覚を枯らしたのだ

こういったごてごての料理ほど
胸焼けのするものはなく
胃もたれを起こさせるものはない

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