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【読書ログ】vol.4 『猫のお告げは樹の下で』 青山美智子さんは、きっと何者にもなれるんだなぁ。

 青山美智子さんの『猫のお告げは樹の下で』。
 ようやく読み終わった〜。

 今回も、登場人物一人一人に共感を寄せずにいられない納得の心理描写とほっこり心の温まるストーリー展開で、まさに期待通りの読了感!

 特に第6章と7章は、主人公が自分の本心が見えなくなって生き方に迷ったり、周りと比べてしまって劣等感を覚えたりと、選択肢と転換期の多い女性ならではの切実な悩みが浮き彫りになっていて興味深かった。

 それぞれが立ち止まり、考え、もがき、自分だけの答えを見つけてまた前に進んでいく姿が本当に爽快だった〜。


 この本を読んで思ったことは、「平凡な人なんて一人もいない」ということ。そして誰だって、自分の人生に対して「自信」と「確信」を持っていたいんだということ。

 人と比べて劣等感を持ってしまう時、自分なんて…とか、どうせ…とか自分の想いに自信が持てない時は、そんな思い込みのブロックは捨ててしまったほうがいい
 戦う必要なんてない。ただ、取り払うだけ

 新しく良いものを入れるには、出すのが先。入ってくる隙間、スペースを作ってあげれば良いんだ。
 心が軽くなる物語だった。


 それにしても青山美智子さんはどうして自分と異なる年齢・性別・バックグラウンドを持つ人の心を、ここまで丁寧に紐解くことができるんだろう。

 売れっ子占い師から専業主婦、妻に先立たれ義理の娘と暮らす頑固親父、小学生の男の子など。
 登場人物の属性の振り幅がとっても広いのに、一人一人が本当に生き生きしていて、彼らの心に浮かぶ感情や言動に一切の無理がない

 つまり青山美智子さんは、きっと何者にもなれるんだなぁ。
 どんな立場のどんな性格のどんな人間にもなれる。それって本当にすごいことだ。

 また彼女の作品を読んでみたいなと思える時間だった。

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