読書会第121回ヴァージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』又は『自分ひとりの部屋』
昨日開催した読書会のレポートです。
本日のメンバー
先週の読書会に参加の常連さんとこの読書会のテーマをリクエストしてくれた方のふたり。
当初はウルフの『自分ひとりの部屋』だけが課題本だったが、後から『ダロウェイ夫人』も追加した。
語られたこと
今回も前回と同じく、作品内容についての詳細な感想よりは、周辺知識やテーマや作家論を中心に語られ、ウルフ以外の作品にも言及された。
『ダロウェイ夫人』は1923年の6月のある1日を描くという設定で、現在と過去が前後して描かれ、語られる視点も頻繁に変わるので、同種の作品が他にないか、超絶技巧の小説は他にはないかという話題が出た。
言及された作品
『ロリータ』ナボコフ
『砂の本』ボルフェス
『アメリカンスクール』小島信夫
『容疑者の夜行列車』多和田葉子
『遠い指先が触れて』島口大樹
まとめ
今回も少人数であることの特徴が出た読書会となった。
課題本を複数設定すると集客はしやすいが、全ての課題本を読んでいる参加者はいないので、個々の作品に内容について語ることは難しい。
しかし、作品に共通する点や作家の特徴を語ったり、同時代の作家や作品、同種のテーマを扱っている作家や作品などに話題を拡げることで、参加者相互の交流がはかれた。
設立当初から何度も話したり、発信していることだが、本のあらすじ、内容は調べればすぐにわかるし、それだけで終わっては味気ない。
本を媒介としていろんな角度から質問をし、話題を拡げることで、参加者の人となりがわかる。
結果的に参加者同士が仲良くなり、本の紹介だけをする読書会よりも情報量が多く、価値の高い場を提供できている。