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マッシュルーム売り場に思う

このところ、マッシュルームのぬか漬けにハマっているということは既に何回かこのnoteに書いた。ぬか床の浅い場所に、およそ6〜12時間ほど漬けると、実に美味しいマッシュルームのぬか漬けが出来上がる(深い場所に漬けるのは、これはこれで美味しいが、私の好みではない)。
これくらいの時間で漬かるので、寝る前に漬けて朝ごはんに食べられる。マッシュルームのぬか漬けを食べることで、朝から気分が盛り上がる。とりわけ、ぬか床に混ぜた山椒の実(乾燥した丸いもの)のぬか漬けと一緒に食べると、これがまた爽やかで幸せな気分になる。
そんなに気に入っているので、帰宅する時にスーパーに立ち寄ってマッシュルームを1パック購入するのが私の日課になっている。こんなに頻繁に購入するなら、自宅で育てられないかと考えたこともある。より美味しいマッシュルームの選び方を調べたこともある。
それでマッシュルームに詳しくなったのだが…。

温度管理されたマッシュルーム

試しに一度、どこか適当なマッシュルームを生産している企業のサイトを見てほしい。「マッシュルームが出来るまで」といったサイトには、いかに温度管理が重要かが書かれている。そして出荷する時も2〜3度という低温を維持したままトラックに積み込まれる。もちろんトラックも冷蔵車である。
というのも、マッシュルームは常温に置いておくと日持ちがしない。それとマッシュルームの旨味は水溶性のため、常温に置いてパッケージの中が結露すると、その水分に旨味が
逃げてしまう。

マッシュルーム売り場

ところで、皆さんの身近にあるスーパーや八百屋さんで、マッシュルームはどんな棚に売られているだろうか?

参考までに、我が家の近所のスーパーでは、こんな感じである…

  • 西友…常温棚

  • サミット…常温棚

  • OK…常温棚

  • ライフ…冷蔵棚

なお、八百屋ではないが、私のよく使うグルッペという自然食品店では冷蔵棚に並んでいた。

我が家の近くには、イオンやマルエツ、イトーヨーカ堂は、ないので確認していない。一応、近所にクイーンズ伊勢丹や紀伊國屋、三浦屋といった高級スーパーマーケットは存在するが、庶民派の私には敷居が高いので行っていない。

個人的な意見

以外、極めて個人的な意見を述べさせて頂く。

生産者の気持ち

この事実を調べて真っ先に私が思ったことは「この事実を生産者が知ったら何と思うか」ということである。
私が生産者だったら、せっかく温度管理しているのに残念に思うだろう。場合によっては温度管理をしてくださらない先には売らないと言いたいかもしれない。
こういう思いがわき起こるのは、私が元々、メーカーに勤めていたからかもしれない(私は食品メーカーではなく紙パルプ業界でしたが)。たとえ紙パルプだって、中身に別状がないとしてもパッケージの破損とかは極力避けたい。
食品なら、なおのことではないだろうか。たかがマッシュルームとはいえ、命を頂くことにかわりはない。

消費者の嗜好

ちょっと余談だが、TBSラジオのジェーン・スー「生活は踊る」という番組に「スーパー総選挙」という名物企画がある。これはリスナーが自分のイチオシのスーパーに投票するというもので、2022年10月20日に3年ぶり4回目の投票結果が発表された。
なお、このTBSというラジオ局のTBSというのは「Tokyo Broadcasting System」の略称なので、例えば関西のスーパー玉出とかイカリなどはランク外になるのは仕方ない。ただ、2万5千票近い投票で1位に輝いたOKは5千票近くを獲得しており、実に5人に1人が選んだことになる。

しかし、そのOKは少なくとも我が家の近所では常温でマッシュルームを販売している。同じく常温販売のサミットは6位にランクインしている。なお、私が調べた中で唯一マッシュルームを冷蔵棚で販売していたライフは3位にランクインしているものの、その得票数は1位のOKと比べて半分ほどしかない。

いや、私の本職がマーケティングリサーチャーでありデータサイエンティストのため、ついついそういう目でデータを見てしまうのは職業病かもしれない。ただ、たかがマッシュルームかもしれないけど、されどマッシュルーム。ひょっとしたら他の商品の品質管理も実は問題のあるスーパーとは知らずに消費活動をしているかもしれない。

かく言う私もOKは好きだ。
私はバセドウ病のため、病気の症状が悪いと2人前3人前を当たり前に食べるくらい大食漢になる。それでOKのピザや、塩と油しか使っていないポテトチップスには随分とお世話になったものである。塊で売られているナチュラルチーズも、OKで買ってきて味噌漬けしている。
それくらい好きで愛用しているからこそ、マッシュルームの品質管理にガッカリしたのだと思う。

売り場担当者の言いそうなこと

もちろん、スーパーとしてはキノコ売り場なんてスペースが限られるだろう。わざわざキノコのために冷蔵棚を準備できないというスーパーも多いのではないだろうか。
そして昨今の燃料費の高騰である。電気代も高騰しているし、この冬もまた政府が節電要請なるものを出すという話もある。冷蔵棚なんて置くのは費用対効果からして無理という売り場も多いかもしれない。

総括

このような三者三様の立場から思うところを考えるに、最後は消費者の選択次第なのではないかと思う。
消費者が賢くなり、冷蔵棚で売っているキノコを買うようにする。常温棚で売られているキノコを買わないようにする。
冷蔵棚で売られているキノコが高いことは妥当であるという認識を消費者が持つ。良い品質のものに相応の対価を支払っているという認識を持って消費行動を行う。
その結果、常温棚で売るお店がキノコの取り扱いから撤退するか、あるいは冷蔵棚に切り替えるかは、そのお店ごとの判断である。

なお、「相応の対価を支払う」ということを書いたが、冷蔵棚で売られているライフのマッシュルームは若干サイズが不揃いというのはあるのだが、常温棚で売られているサミット・OK・西友よりも安い。同じく冷蔵棚でマッシュルームを販売している自然食品店のグルッペではスーパーで売られているのよりも大きなパッケージで不揃いなサイズのマッシュルームを販売しているが、こちらも大きなパッケージのため十分お値打ち感がある(私は中身の重量を計量していないので正確な比較はできていないが)。
割高で品質管理がイマイチなら、知っている人は手を出さないだろう。

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