B6角ダッチを太陽熱で同時調理
2022年4月30日、東京は晴天。午前11時の気温は16度で風速3m/sと、それほど暑くはない。
この気象条件下で、太陽の熱を熱源として、ダッチオーブンを使って同時調理に挑戦することにした。
使用したダッチオーブンはキャプテンスタッグの角型ダッチオーブンmini(通称「B6角ダッチ」)である。
そして、使用した太陽熱調理器(ガスバーナーやIHヒーターにあたる道具、別名「ソーラークッカー」)は、西川式を簡単にした自作機である。この自作機の作り方は、こちらの note にまとめてある。
この発泡スチロール箱で作った太陽熱調理器を使うのは今回が2回目である。前回は目玉焼きを作ったのだが、いい気になって厚揚げも一緒に焼こうとしたことで、出力が激落ちしてしまったという苦い経験をしている。この苦い経験についても、既にこちらの note にまとめてある。
そんなワケで、今回はリベンジの意味合いが強い。この発泡スチロール箱の太陽熱調理器の「ちょっと良いところを見せてもらおう」という感じである。
ちなみに「エコ作」という名前の、1万円くらいで購入できる太陽熱調理器がある。これは真空管が使われていて、500mLの水が1時間足らずで沸騰する、なかなかハイパワーな太陽熱調理器である。しかしエコ作は真空管の特性上、細長い食材しか調理できない。また、風速3m/sでは何かの拍子に風にあおられて倒れたり、小石などが飛んできて真空管に傷がつくかもしれないため、私は使うのをためらう。
そんなこともあって、今回この発泡スチロール箱で作った太陽熱調理器が「使える子」であることを実証したい。
本日のレシピ
私はあまり肉肉しいメニューは好まない。サスティナブルなエネルギーのことを考えて太陽熱調理器の自作をしている身の上として、食料問題や環境問題をはらむ肉食は、よろしくないだろう。
しかし今回は珍しく「砂肝のコンフィ」としたい。というのも、前回は失敗したとはいうものの、卵の白身を固めるくらいの出力は得られたのである。水蒸気で太陽熱の取り込み口を曇らせない限り、しっかりと加熱できるのではないだろうか。まぁ加熱しすぎてコンフィがアヒージョになってしまっても構わないのだが。
もう一つ付け加えておくと、マーケティング的な意味合いもある。私としては、誰でも自由に太陽熱調理を楽しんでくれたらと思う。ただ、いきなり誰もが太陽熱調理に挑戦しようと思えないかもしれない。その第一歩を比較的簡単に踏み出すことができそうな人として、私はソロキャンをする人を想定している。キャンプ道具を揃えて屋外でバーベキューを楽しむような人なら、太陽熱調理器を自作して自宅のベランダや近所の公園で太陽熱調理を楽しむハードルは低いのではないだろうか。そして、そういうソロキャンパーさんの多くが肉肉しいメニューをブログなどに載せている。
今回、使用した砂肝は、銀皮が既に剝かれたものを130g用意した。塩コショウでしっかり味付けして半日おいておくと、余計な水分が出てくる。この水分をさらしで拭き取る(私は使い捨てのキッチンペーパーは使用を避けている)。
ニンニク1かけをスライスしたものと、先の下処理をした砂肝を、B6角ダッチに入れ、ひたひたに浸かる分量のオリーブオイルを注ぐ。
ここにエバニューの五徳を置き、その五徳の上にダイソーのメスティン用の網を、脚が上になるように載せる。
そうすると、こちらの写真のようになる。
前回、このB6角ダッチにエバニューのデミタスがシンデレラフィットという話をしたが、意外にもエバニューの五徳もB6角ダッチと相性が良い。
ついでに、前回の note で紹介したB6角ダッチをエバニューのアルコールストーブによる自動炊飯では、五徳を使わない。それを中で使うことで同時調理を可能にする。
なおダイソーの網は、五徳を使わないでB6角ダッチに使うとなると、どうも斜めになってしまう。これはB6角ダッチの上部が広く、底に向かって微妙にすぼまっているため、網が引っかかってしまうのである。そのため五徳で底上げをしている。
この網の上で、何を作ろうか…
とりあえず今回は、こうしてみた。
まずは玉ねぎをスライスしたものを乗せて…
これまたスライスされたカボチャを乗せてみた。
これで蓋はきちんと閉まる。
普通、蒸し焼きは水を使う。今回の蒸し焼きは水の代わりにオリーブオイルである。そんな料理、聞いたことない。普通の「オイル蒸し」は、野菜にオイルをかけて蒸し焼きにするのだが…。
さてさて、どうなることやら。まぁ野菜はそのまま生でも食べられるから…。
こんな感じに、太陽に向けて置く。
経過と結果
加熱開始から80分ほどで、時折、風に吹かれてオリーブオイルの良い香りが漂ってくる。この時点での外気温は17度である。
前回の失敗で生じた、太陽熱取り込み口の曇りは、今回は発生していない。
開始から110分経過したところで、とても良い香りが漂うので、とりあえず中身を確認する。この確認作業は、せっかく温まった空気が逃げてしまう作業のため、あまりすべきではないのだが…どうか美味しく仕上がっていますように!
うーん、悪くはないけど、ちょっと早すぎたかな。オイルの香りにだまされたかも。
で、肝心の砂肝のコンフィは…
これまた悪くはないけど…
今更だけど、やるなら肉ではなく、お刺身で食べられるくらい新鮮なお魚で作れば良かったかも。感動するぐらいの激ウマを期待していただけに、ちょっと残念。
こんな仕上がりなら、発泡スチロール箱よりも段ボール箱で作った太陽熱調理器のほうが良かったかも。あっちのほうがコンパクトですし。
やっぱりブースターミラーが必要なのかな…
面倒だけど作るか…