躁鬱とロック
躁転すると分かっているのに、ライブハウスに行ってしまう。
響くギターとドラム、ボーカルの熱い肉声。
フロアの一体感。
踊る、騒ぐ皆。
音楽という流れに身を任せる。
その間は、自分が躁鬱だ、とか忘れられる。
そんな、そのハコの中が、
たまらない。
ずっと続けばいい。
しかし、時間は過ぎ、一体感は消える。
それでも、私はロックの渦中にいる。
頭の中は鳴り止まない。
響き続ける、メッセージ。
眠気が来ないことに、ふと、気づく。
ダメだ、朝が来てしまう。
いや、別に構わない。
寝る必要など、もう、ない。
私は、着替え、早朝の街に出かける。
朝日が神々しく登ろうとしている。
なんて世界は輝いているんだ。
ずっと、あんなにも澱んでいたのが、嘘のよう。
そう、世界は私のためにある。