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「安全な場所に居続けてください」、もうひとつの意味。

もうひとつまえの台風が、やってくるとテレビのニュース
番組でアナウンスされていた時に、耳に止まったのが
このフレーズだった。

安全な場所に居続けてください。

もちろんこれは災害に向けての命を守るための文言だし。
この文章の意味以上の意味はないのだけど。

わたしはすぐに思った。

ほんとうに、そうしたいと。そうありたいと。

Xとかを柄にもなくはじめてみたのが二年前だった
けれど。

やり始めてみると、やたら内省するようになっていた。

内省し始めると、わたしのメンタルはぼろぼろの
ような気もしてきて。

つらい思いをされている方の言葉になびいてしまったり。

そこまで悲しみを感じていないのに悲しみになじみたく
なったりしていた。

そんな時、友達が優しさとユーモアで声をかけてくれる
ことに救われていた。

わたしはたぶん、内面を吐露するものを読んだり書いたり
するのが好きだから、よくわからないのだけど。

じぶんの中に無意識に取り入れようとしてしまう。

あなたは共感しすぎるところがあるから、情報を入れない
工夫してみてくださいと助言をもらったことがある。

それがわたしの心の平安につながることも、知った。

相変わらずのメンタルだったのだけれど。

そんな時台風に気を付けるようにとアナウンスされていた
文言が耳に入ってきて。

ああ、これだと思った。

安全な場所とは、もちろん家でもあるし場所なのだけど。

わたしの場合は場所は人なのだ。

だれと一緒にいるかということは、わたしにとっての場所に
なるのだと確信した。

この言葉は言い換えると、安全な人と一緒に居続けてください
になる。

わたしはnoteで数名の友人に恵まれた。

彼らはわたしにとって面白い感覚や知らない知識や、どきどき
する感情を連れてきてくれるけれど。

一緒にいると心がとても落ち着く。わたしのメンタルにとって
とても安全な人たちなのだ。

だから、このまま彼らと一緒に過ごせたらいいなとこの文言と
共に心底思っていた。

今は家族もわたしを脅かす案件はなにもなく。彼らと共にいる
ことが安心できる。生きていて今がいちばんそう感じている。
歳はとるもんだって最近は年月に感謝している。

この間、米津玄師さんのインタビューを聞いていた。

今リリースされている楽曲の歌詞について話されていた。

わたしはその歌詞が生まれたきっかけを聞いていた。

インタビューでは、廃品回収車のスピーカーから流れる
メッセージに少年だった頃の彼がとても興味を惹かれた
話をしていた。

「壊れていてもかまいません」

ああ、言ってる。聞いたことがある。わたしも何度か耳に
したことがある。

米津少年はその言葉を聞いた時に、こう言ったのだ。

寂しさも懐の深さも感じるそのフレーズだなと。

そしてそのことを思い出した彼は今のテーマにドンピシャ
だと感じてこの歌詞を採用したという。


例えばあなたがずっと壊れていても 二度と戻りはしなくても
構わないから 僕のそばで生きていてよ

『ラストマイル』主題歌
米津玄師『がらくた』より


がらくたになってしまったらもう終わりだと
思っていたのに。

そんながらくたな心や身体とだってもういちど
やり直せる。

そんな誰かがそばにいるって、もう甘美だと思った。

どんなにがらくたになって堕ちようともそういう人が
ひとりいたらもうそれは、至福のなにものでもない。

おしまいから始めようと歌っているように聞こえる
その歌は、

米津少年があの「こわれたものでもかまいません」に
心寄せた時の優しい気持ちのままに歌詞に昇華されている
ことを知って、ふるえる。

人が言葉に対しての感受性のようなものをこんなふうに
引き受けながら蔑ろにせず、育みその時に感じたままを
今に受けつぐことができるって。

とても幸せな言葉との出会いじゃないかとふと思ったのだ。

人と一緒で。

言葉ともわたしたちははじめて出会うと感じる時がある。

それはどこかで育ててゆくものなのかもしれない。

言葉と出会うことそれは一期一会であり、
一語一会だと思うから。

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