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105.何かが違う。
学校が終わってから、この日は図書館にいく。
深夜まで開いてるという図書館があるときいて、行ってみたはいいものの大学生にしか入退場できないシステムだった。
学生なら入れると聞いたんだけど、語学学校生ではダメらしい。
おおー高校大学生だけだなんて、イギリスっぽい!しらんけど!と思ったのと同時に、
さて、どこで宿題をやろうか。
と少し彷徨った。
カフェに入り、宿題をしていたらマリウスから連絡があった。
「セントラルいたら会おうよ?」
もう、マリウスと会えるのも限られた時間のみだ。
遊ぶ気はなかったけど、残りわずかな時間と考えると、断るには惜しすぎる。
「いいよ。にいる。」
「交差点の前で待ち合わせしよう」
結構久しぶりだった。
またいつも通りたくさん話してたくさん歩いた。
「いつ帰国するの?来月だよね?」
「9月20日。」
「チケットは取れたの?」
「取れた。」
「次はいつ戻ってくるの?」
「早くて、春には戻ってきたい。」
「寂しくなるよ。クリスマスも見せてあげたかった」
「みたいよ。。クリスマスもハロウィンも、みたい。秋のロンドンも冬のロンドンもみたい。」
少し沈黙した。
マリウスは何か遠くを見ているようだった。
私はその沈黙が嫌で
「でも今はロンドンにいるからロンドン楽しむ。今を楽しむ。」
と言った。
彼も「その通りだ」と言って、笑顔になってくれた。
その頃から、バス停でバスを待っているとマリウスが後ろからハグしてくれるようになっていた。
言葉にはしてないけど、
「離したくない」
って気持ちがバンバン伝わる。
夜になると結構冷えるから、防寒のためにハグしてくれる意味も半分。
バスが来て、
「気をつけてね」「またね」と言い合って、
ハグをする。
前よりも違う何かがあった。
彼にはきっと、他にも女の子はたくさんいるだろう。
なんせイケメンだから。
モテないわけがない。
だから、私一人が居なくなろうと、彼の人生に大きな影響はないだろう。
なのになぜ彼から、漂う
「離したくないオーラ」はこんなにも強いんだろう。
と悶々とした帰り道になった。
プロポーズまであと416日