【書評・感想】『絵のない絵本』
『裸の王様』・『マッチ売りの少女』・『みにくいアヒルの子』。どれもアンデルセンの作品です。一度は読んだことがあるのではないでしょうか?
アンデルセンは1800年代の作家・詩人ですが、その作品はこの現代でも読まれているほどの名作揃いです。『絵のない絵本』もアンデルセンの作品で、ほかの童話とは一風変わった作品です。
こんな人におすすめ
・詩が好きな方
・童話が好きな方
・古い文学作品に触れてみたい方
概要
『絵のない絵本』の大きな特徴は、短編集とも言えるような構成になっていることです。貧しい絵描きの元に、月が毎晩やってきては、月がこれまで見てきた出来事を絵かきに話すというのがこのお話の流れです。
それが「第何夜」というくくりで構成されています。
一般的には「第何章」とか「第何節」にあたります。
一夜一夜はほんの数ページ、短くて1ページほどなので、海外文学に始めて触れる方でも踏み入りやすいのではないでしょうか。
感想
私はこれまで小説や詩というものに多く触れてきませんでした。恋愛小説や推理小説をかろうじて読んだ経験があるくらいで、文学作品に触れるのはこれがはじめてです。
読み始めは文学作品らしいまわりくどい表現や、比喩表現に違和感がありましたが、数編も読んでしまえばたちまち慣れてしまいました。
月が優しく、落ち着きのある口調で絵かきに話しかけるのですが、その丁寧な言葉遣いや言い回しの美しいこと。
これまで小説や詩に触れてこなかった私ですが、作品中にのめり込んでしまいました。
心が落ち着く読み物
私の普段読んでる本と言ったらもっぱら数式の羅列した専門書です。
これは大学生という身分上避けられないのですが、それにしてもそんなのばっかり読んでいたら頭が凝り固まって仕方有りません。
そこで趣味として読書を取り入れているのですが、個人的にはこの凝り固まった頭を休ませたいので、ミステリーやドロドロとした小説はさけたいものです。
そういうことを念頭に置くと自然と「心の落ち着く」内容の本を求めることになります。『絵のない絵本』は語り手が優しい口調で、日頃耳に入ることのないような表現が組み込まれています。
自分が使わない言葉や、そもそも知らない言葉や表現に触れるというのはなんとも新鮮でリフレッシュすることが出来ます。
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