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顧客の信頼と共感を生むTrusted advisor

前回のマーケティング3.0/4.0とAISCEASの応用として、BtoBにおけるコンサルチックな仕事の進め方について書いていきます。

「すごい商品」では売れない

前回のマーケティング3.0/4.0とAISCEASでも簡単に触れましたが、製品思考のマーケティングは過去のもの(マーケティング1.0という3世代前のもの)であり、現在のマーケティング3.0/4.0では「信頼や共感を得ることが重要」と言われます。

今の世の中は企業の社長よりもインフルエンサー、学校の先生よりもYouTuberが信頼され尊敬されています。岡田斗司夫氏が「評価経済(貨幣経済から変化)」と名付け、現実としてそうなっている世の中において、人はタテのつながりよりもヨコのつながりを重要視するようになっています。

Trusted Advisor 

Customer Satisfaction = 顧客満足の形が大きく変わってきたのです。顧客は様々な選択肢を提示されています。どれもこれもいい商品、一定の成功を収めている商品です。しかしどれもこれも良くてひとつのものを選択できない状態が続き、検討が長期化することで購買意欲が失われることが多々あります。安全・安心で満足…ではなく自己実現こそが顧客の求めているもので心から満足できるものになっているのです。

製品やサービスを売る側として信頼や共感を得るためにはどうしたら良いでしょう。我々の業界ではTrusted advisorと呼んだりしていますが、つまり単純な御用聞きでなく、どんな相手に対しても自分が主体的に対応することを目指しています。

主体的でない仕事があるのか…あります。要するに判断や説明責任を相手に委ねることは、主体的でない仕事のやり方で、逆に判断や説明責任を相手に任せないということが、主体的な仕事のやり方と言えます。それは売り手と買い手のタテの関係ではなく、ヨコ…つまりイーブンな関係としてお互いに問題を共有して取り組むことを意味します。顧客との対話でも時には共感して、時には牽引しながら信頼を得ていくということです。

相手を理解する第一歩

主体的に取り組むためには深く相手や環境、仕事のことを理解しなければなりません。どこまで理解しておく必要があるのか…それは顧客体験の全てにおいて回答できるほど、理解し検討を進めておくのがベストです。顧客の立場に立って課題を考える…これをCustomer Surround Modelといいます。Customer Success という考え方もその一つだと思います。

そして必要によっては外堀から固める…嫌な言い方かもしれませんが、信頼や共感を得るためには手助けとなるアンバサダー(推奨者)が必要です。これもマーケティング3.0/4.0とAISCEASに出てきた「マーケティング3.0/4.0のその先」です。そしてこれが評価経済そのものの特性だと思います。

信頼を得ることで、顧客はよりオープンに課題について会話したいという意欲に駆られます。顧客は共感して欲しいのです。そうなればあなたもTrusted advisorと呼ばれます。

これまでお付き合いのなかった、新規の顧客に対してはどのように始めれば良いでしょう。いきなりドアノックして「こんにちは、あなたのTrusted advisorです。」といってもBtoBでは白い目でしか見られません。

相手を知るためにやること…
・ホームページ
・有価証券報告書
・ニュースサイト
・SNS
・口コミサイト

などで相手の会社のことは一通り理解しておきましょう。営業マンは当たり前にやってることかもしれませんが、エンジニア職はこれをほとんどやっていません。営業マンから聞いた断片的なことを頭の片隅に、商品の良さを売り込むだけの人間では信頼を得ることにはなりません。技術職であっても顧客と相対するのであれば相手の置かれている環境からまずは理解しましょう。「どこどこを買収する」そう言った情報が相手の課題を理解するのに役立つのです。

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