蟻酸:ぎさん #271 辞書の生き物
ギ酸
理科の教科書で、分子量が一番小さいカルボン酸としてでてくる化合物が蟻酸で、化学式は水素と酸素が2個ずつと炭素1個の「HCOOH」です。
学生の頃は「ぎさん」ではなく「アリさん」と親しみを込めて呼んでいたのを思い出しました。
その名の通り、「蟻酸」は「蟻」が持っている化合物だということで命名されました。
そうはいっても、すべての蟻が蟻酸を作るわけではありません。
毒液を使って敵を撃退するヤマアリの仲間は、蟻酸を毒液として使うようです。
15世紀ごろの西洋の錬金術師や動物学者は、一部の蟻の巣が酸性であると気付いていたそうで、その後、大量の蟻から抽出された化合物として「蟻酸」が発見され、アリ由来の物質だとして「蟻酸」と命名されています。
蟻酸の英語名は「formic acid」ですが、「formic」は「アリ」を意味するラテン語の「formica」から来ています。
学名を付けるにはラテン語も知っておかねばです。
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