見出し画像

岩松勇人プロデュース@ビジネス本研究所:不可能を可能にせよ! NETFLIX 成功の流儀 マークランドルフ

【不可能を可能にせよ! NETFLIX 成功の流儀 】はこんなあなたのための書籍です。

●個人で起業したい人
●イノベーションを目指すビジネスマン
●就職活動や転職活動をする人
●人生の夢を叶えたい人
●成功法則を学びたい人

【不可能を可能にせよ! NETFLIX 成功の流儀 の目次】

第1章 ひらめきなんか信じるな 
第2章 「絶対うまくいかないわ」
第3章 人生一番のリスクはリスクをとらないこと
第4章 型破りな仲間を集める
第5章 どうやって資金調達をするか
第6章 いよいよ会社が立ち上がる
第7章 こうして社名は決まった
第8章 準備完了
第9章 ある日のオフィス
第10章 ハルシオン・デイズ
第11章 ビル・クリントンにちょっと一言
第12章 「君を信頼できなくなっている」
第13章 山を越えて
第14章 先のことは誰にもわからない
第15章 成功の中で溺れる
第16章 激突
第17章 緊縮策
第18章 株式公開
エピローグ ランドルフ家の成功訓

アニメーションで解説はコチラ👇

チャンネル登録はコチラ

動画を観る時間がない方に、イラストと文章で解説👇

スクリーンショット 2020-07-06 22.05.34

今回は、
「不可能を可能にせよ!」
という本を解説します。

ネットフリックスの創業者にして
初代CEOのマーク・ランドルフによる
回想録が登場しました。

マークがネットフリックスのアイデアに
たどり着いてからサービスを開始し、
株式公開を果たして同社を去るまでの
約6年間を本書では扱っています。

そこには「世界を変えた男」の
激動のドラマがありました。

いまやサブスクリプションのビジネスモデルで
覇者といえるネットフリックス。

しかし、1990年代半ばの時点では、
マークは、アマゾンの成功に触発されて
eコマースのアイデアを探していた、
数千人のひとりにすぎなかったんです。

ではなぜマークは成功したのか。
ひとつは、現CEOである
リード・ヘイスティングスとの出会い。

もうひとつは、マークがスタートアップ
創業期と抜群に相性がよかったことです。

この本の結論は、

スクリーンショット 2020-07-06 22.05.45

という内容です。

本書は「これがクライマックスか」
と思われる場面の連続です。

スクリーンショット 2020-07-06 22.05.58

まずアマゾンによる買収、ブロックバスター
への身売りを巡るやりとりがある。

ついで、CEOの座をめぐる実に人間臭い、
しかし決して陰湿ではないドラマがある。
もちろんチームの友情もある。

さまざまな画期的なビジネスモデルが
生まれてきた背景とプロセスも実に興味深い。

本書にはキーフレーズがふたつ登場します。

ひとつは本書の原題にもなっている
「それ、絶対うまくいかないわ」
そしてもうひとつは
「先のことは誰にもわからない」
このふたつです。

これを念頭において、極上のビジネス・
エンターテインメントを楽しんでください。

本書の重要なポイントを
3つに絞って解説していきます。

スクリーンショット 2020-07-06 22.06.13

それでは順に解説していきます。

まず1つ目のポイント

スクリーンショット 2020-07-06 22.06.30

1 それ、絶対うまくいかないわ

マーク・ランドルフとリード・
ヘイスティングスは、交代で車を運転しながら
一緒に通勤をする仲でした。
この二人のストーリー形式で話が進みます。

1997年当時、マークにわかっていたのは
起業してネット販売をやりたい
ということだけでした

車の中で、考えたアイデアをリードに
ぶつけるものの、ことごとく跳ね返される
日々でした。

ある日、ビデオのeコマースというアイデアが、
リードのアンテナに引っかかった。
ここからすべては始まった。

スクリーンショット 2020-07-06 22.06.49

役割としては、マークが自分の時間を投資する、
リードが資金を提供することに決まった。
すなわち経営者と投資家である。

スクリーンショット 2020-07-06 22.07.17

“That will never work”
「それ、絶対うまくいかないわ」
これは、マークの妻ロレインが最初に
このアイデアを聞いたときの反応です。

何よりコストがかかりすぎる。
だが、DVD郵送レンタルなら
うまくいくのではないか。

マークはそう考え、アイデアの実現に
向けて動き出しました。

スクリーンショット 2020-07-06 22.07.38

1998年4月14日、ネットフリックスの
サービスが立ち上がります。
アメリカ初のインターネットDVDレンタル店。

DVDプレーヤーのオーナーは、
住んでいる場所に関係なく、
あらゆるDVD作品を確実に購入したり
レンタルできるようになる
といううたい文句です。

マークが最初にとりかかったのは、
DVDおよびDVDプレーヤーのマーケット開拓。

アメリカで初めてDVDプレーヤーが
試験販売されたのは、その前年
1997年の3月のことでした。

サービス開始時点で、
DVDのタイトルはわずか800点。
おかげで世の中にあるDVDすべての在庫がある
と謳うことができた。

スクリーンショット 2020-07-06 22.07.54

最初のプロモーションは、東芝、
ソニーといったメーカーとのタイアップでした。

DVDプレーヤーを購入すると、
無料でDVDをレンタルできるという
クーポンをつけました。

メーカーは、ソフトがないからプレーヤーを
買わないという消費者のジレンマを
解消することができます。

まさにウィンウィンの契約である。

サービスへのアクセスは急速に伸びた。
しかし、客の多くは無料レンタルを
利用した後に戻ってきてくれなかった。
完全に持ち出しで、赤字が膨らむいっぽうだった。

スクリーンショット 2020-07-06 22.08.26

もうひとつ悪い数字があった。
当初の目論見に反して、
売上の大部分がDVDの販売によるもので、
レンタルの売上はわずか3%。

アマゾンやウォルマートといった巨人が
販売を始めたら、瞬く間にネットフリックスは
踏み潰されてしまいます。

マークたちは、DVD販売かレンタルか
という選択を迫られました。
限られたリソースをどちらに投入すべきか。

スクリーンショット 2020-07-06 22.08.48

DVD販売は売上のほぼ全てだが、
今後は確実に消えていくのが目に見えていた。
そんな頃、アマゾンから買収の声がかかりました。

ということは、アマゾンはDVD販売に舵を
切ったことを物語っていて、マークは
差別化を図るためにレンタルに賭ける
ことにしました。

スクリーンショット 2020-07-06 22.09.18

2 先のことは誰にもわからない

1999年、サブスクリプションモデルを導入し、
レンタルは大幅に伸びた。

しかし、ユーザーを広げるために、
最初の1カ月を無料お試しにしたため、
これが大きくコストを押し上げた。

少なくとも加入者が100万に達するまでは、
赤字が続く状態である。
投資家の資金頼みの経営が続く。

スクリーンショット 2020-07-06 22.09.34

サブスクリプションモデルの導入で、
1カ月定額料金を払えば、
好きなDVDを借りっぱなしにできます。

返却期限を気にしなくてもいいし、
店舗に足を運ぶ必要もない。

こうしたネットでのサブスクリプションの
モデルは、当時は奇妙な仕組みとされた。

サブスクリプションを開始して1年後には、
ネットフリックスはサブスクリプション
の代名詞になりました。

しかしこれも、最初は何百という実験の
うちのひとつにすぎなかった。
しかも、思いついたアイデアの中で
最も見込みの薄そうなもののひとつだった。

実験結果が出るまでは、
まったく期待していなかったのである。
まさに、“Nobody knows anything”
「先のことは誰にもわからない」
ことの典型です。

スクリーンショット 2020-07-06 22.09.47

だからこそ、起業家は自分を信じて、
失敗をいとわず挑戦しなければならない
といえます。

親切で映画に詳しいビデオ店員が
してくれそうな親身な提案と案内を提供する。
これが、ネットフリックスのサービス目標でした。

一方、ネットフリックス側にも事情があった。
新作にリクエストが殺到すれば、
すべての需要に応えることが困難になるし、
コストも莫大にかかります。

この問題を解決するには、ユーザーを
新作よりももっと気に入る旧作品に
誘導できればいい。

スクリーンショット 2020-07-06 22.10.15

そのために開発したのが、アルゴリズム
によるマッチングサービス「シネマッチ」

これを可能にしたのは、
ユーザーに映画を評価してもらい、
同じ映画に関するレビューが肯定的か
否定的かでユーザーをクラスターに分ける、
「協調フィルタリング」というプロセスだ。

また、DVDの配送は通常の郵便を使っていたため、
当初、発送から到着まで地域によって
かなり差がありました。

スクリーンショット 2020-07-06 22.10.31

本社の倉庫があるサンノゼ在住のユーザーには、
発注の翌日にDVDが届くが、
フロリダのユーザーには1週間近くかかる
といった具合です。

そのため到着日時については、
ユーザーに何も約束をしていなかった。

この落差は、顧客の定着率に影響を
与えそうなものです。
なのに、その兆候は見られなかった。

そこで、ある都市を選んで数カ月
翌日配送を実験してみた。
明らかになったのは、翌日配送は
定着率には大きな変化をもたらさないかわりに、
新規の申し込みを増やすという事実。

翌日配送は、利用している新しいサービスに
ついて友達全員にふれまわるような、
熱烈なファンを生み出していたのである。
この翌日配送を謳うことで、
ネットフリックスは窮地を脱することができた。

スクリーンショット 2020-07-06 22.10.50

3 徹底的な正直さ、自由と責任

サブスクリプション、マッチングサービス、
翌日配送というビジネスモデルと、
痛みをともなったレイオフによって、
ネットフリックスは息を吹き返した。

ついに2002年5月にはナスダック市場で
株式公開を果たします。

1997年のアイデアからここまで
波乱万丈の連続だったが、
なんとか最初の港にたどり着きました。
その間変わったものと、変わらないものがあった。

変わったものは、顔触れである。
会社を立ち上げたときの7名のうち、
残っているのはマーク本人ただ一人だった。
もちろん会社の規模も大きく変わった。

スクリーンショット 2020-07-06 22.11.17

1998年9月には、
投資家だったリードが経営に乗り出した。
リードは自身がCEO、
マークが社長というように役割を変え、
共同経営することを提案してきた。

マークは、いまでもその日のことは忘れられない。
マークにはネットフリックスは自分の会社
という気持ちがあった。

しかし、会社とメンバーのことを考え、
この提案を受け入れた。
この共同経営が、結果的にはうまく機能したんですね。

ネットフリックス創業当初から企業文化
として一貫しているのは、
とにかく試してみるという実験の精神です。

スクリーンショット 2020-07-06 22.11.30

実験によって考えられる可能性を
ひとつずつ潰していき、最後に残ったものに賭ける。
サブスクリプションがいい例です。

失敗に正直でなければ先に進めない。
そこから、徹底的に正直であろうとする
ネットフリックスの文化が生まれてきた。

さらに、自由と責任も重要視され続けている。
責任をともなう意思決定をする判断力
がある人は、意思決定の自由を喜ぶ。
これは従業員を大人として扱うことを意味する。

本書では、マークたちがサービスを
開始するまでの紆余曲折にも力を入れて
書かれています。

スタートアップの高揚感で溢れている
パートのため、その臨場感をぜひ本書で
味わってほしいと思います。

また、エピローグには、マークの父親から
引き継がれた「ランドルフ家の成功訓」
が掲載されており、実に考えさせられる内容です。

「世界を変えた男」の成功秘話を
とくとご堪能ください。

それでは最後におさらいしましょう。

スクリーンショット 2020-07-06 22.11.58

1 それ、絶対うまくいかないわ

マークの妻ロレインがマークの
アイデアを聞いたときの反応です。

それからサービスを開始して、
実に6年間で劇的な成長を遂げます。

2 先のことは誰にもわからない

サブスクリプションモデルは、
最初は何百という実験の
うちのひとつにすぎませんでした。

思いついたアイデアの中で
最も見込みの薄そうなもののひとつでしたが、
今ではネットフリックスの代名詞
になっています。


3 徹底的な正直さ、自由と責任

ネットフリックス創業当初から企業文化
として一貫しているのは、
とにかく試してみるという実験の精神です。

失敗に正直でなければ先に進めない。
そこから、徹底的に正直であろうとする
文化が生まれて急成長しています。


いいなと思ったら応援しよう!