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『さがしもの』(著者:角田光代)が中学受験で出題された学校と国語の入試問題の内容を紹介!
■『さがしもの』(著者:角田光代)について
この本は、
旅する本
だれか
手紙
彼と私の本棚
不幸の種
引き出しの奥
ミツザワ書店
さがしもの
初バレンタイン
の9編の本にまつわる短編集です。
なんというか、本に振り回されてしまうかなり奇妙な話ばかりで、独特の世界観があるので、小学生向きの本ではありません。本を愛する大人たちに好まれる作品でしょう。
ですが、塾のテキストにも掲載されていますし、入試では、こういった世界観を感じながら、登場人物の気持ちをしっかり理解できるかというところを問われますので、「旅する本」「ミツザワ書店」「さがしもの」あたりは読んでおいてもいいでしょう。
1つのお話が長くないので、すぐ読めます。
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中学受験では、2016年度第1回獨協埼玉中学校、2016年度第2回広尾学園中学校、2018年度第1回八雲学園中学校、2018年度第1回東京純心女子中学校の国語の入試問題で出題されました。
◆2016年度第1回獨協埼玉中学校の国語の入試問題
大問2番で、「ミツザワ書店」から文庫でリード文あり、中略が2度あるので、ほぼこの「ミツザワ書店」の全内容がわかるように出題されています。
大問1番は漢字と慣用句、大問3番は論説文で、大問3番まででした。
この大問2番の出題形式は、4択の記号選択が4問、適語補充が1問、抜き出しが3問、字数制限つき記述問題が2問で、全部で10問でした。
◆2016年度第2回広尾学園中学校の国語の入試問題
大問3番で、「さがしもの」から出題されました。大問1番は漢字の読み、書き取り、大問2番は四字熟語、慣用句、大問4番は論説文で、大問4番までででした。
この大問3番の設問形式は、語句の意味が1問、4択の記号選択が4問、40字の記述が1問、80字の記述問題が1問で、全部で7問でした。
◆2018年度第1回八雲学園中学校の国語の入試問題
大問2番で、「さがしもの」から文庫で約6ページ分出題されました。大問1番は漢字の読み、書き取り、大問3番は説明文で、大問3番まででした。
この大問2番の設問形式は、品詞の識別が1問、抜き出しが3問、慣用句が2問、4択の記号選択問題が3問、40字の記述問題が1問で、全部で10問でした。
◆2018年度第1回東京純心女子中学校の国語の入試問題
大問1番で、「ミツザワ書店」から最初にリード文があり、文庫で後半約7ページ分出題されました。大問2番は論説文で、大問2番まででした。
この大問1番の設問形式は、適語補充が1問、4択の記号選択問題が3問、字数制限つき記述問題が3問、自由記述問題が1問で、全部で8問でした。
■『さがしもの』から3編 簡単な内容
・旅する本
18歳のときに古本屋に持って行って売った翻訳小説が、その後、ネパールで、アイルランドでと、売ってもまた出会うことになる。その度に本の内容が変わっているように感じるが、実は変わっているのは自分自身だと気づく。
・ミツザワ書店
文芸雑誌の新人賞に受賞が決まったぼくは、高校生の頃、近所のミツザワ書店で1万円の本が欲しくて買えなくて万引きしたことを思い出す。その1万円を返しにミツザワ書店に向かうと、もうお店は閉まっていて、以前のミツザワ書店のおばあさんは他界したことが、お孫さんの話でわかる。
・さがしもの
入院したおばあちゃんが孫の私に、本を探してくれ、探してくれなければ化けて出るとまで言うので、私は毎日必死で書店を回り、その本を探す。結局、見つからないままおばあちゃんは死んでしまうが、後になってその本が復刊し、ようやく手に取ることができる。画家のエッセイで、その本の中に若き日のおばあちゃんのことが書かれていたのだった。