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今日は、あの忘れもしない、シェアハウスで起きた珍事件の記録。
男女3人で住めるくらい仲がいい、とは思っているけど、ただ変なだけなのかもしれない。
記録はするけどたまたま見てしまった人はどうか引かないでほしい。

あの日から我が家はツインテールが禁止になった。

シェアハウスについてはこの日記に書いてある。


3人でいると突然はじまる遊びがある。
アオはそれを「ノリ」と呼ぶし、クロはそれを「コント」と呼ぶ。
私はそれを「世界」と呼んでいる。

あれは3人でテーマパークに行った帰りだったと思う。

すっごく楽しく遊び疲れて全員クタクタだったのは間違いない。
その日、クロは1日中取り憑かれたように、1人であることを検証しながら過ごしていた。

あること、それは「どうすれば2人に蛙化されるか」という検証だった。

「蛙化現象」とは、片思いの相手が自分に好意を返したり、振り向いてきたりした途端に、相手のことに興味がなくなったり、冷めたり、嫌いになってしまう現象。最近では、恋人や好きな相手、気になる異性の何らかの言動を見聞きして急に嫌いになることを「蛙化現象」と呼ぶ。

クロは、私とアオが「きっしょ〜」と言うであろうことを1日中考えてそれを試しながらテーマパークで遊んでいた。

私たちは色々と変な3人だった。

(まだここまでしか書いていないのに認めざるを得なくて笑える。)

👧🏾

家に着いて、なぜか私とアオはツインテールになっていた。
帰り道、クロがこう言ったからだったと思う。
「ツインテールって割とめっちゃ好きかも」

なんとなく大人になってからやらなくなったなあ、懐かしいなあ、なんて話しながら帰ってきたのでそうなったのだと思う。

クロは、ツインテールの私たちを見て、写真を撮らせてほしいと言った。
オタ活に関してはプロなので、もうその時すでに手にはスマホカメラを持っていた。

「ダメー」「ムリー」

私とアオはノリで断る。

そこで更に火がついたのか、クロはカメラを両手で持ち、テーブルに身を乗り出しながら変態を演じはじめた。私とアオはそれを真正面から見ているので、その衝撃に爆笑した。
その絵図は、名付けるとするならば、完全に【変態カメラマン】だった。

ふんがふんが

鼻息を荒くして私たちを撮ろうとするクロ。いや、変態カメラマン。
しばらく爆笑しながらふざけてポーズをとる私とアオ。


すると、アオが急に、ズシャッと崩れ落ちた。
それと同時に、クロも床に崩れ落ちる。

2人は笑っている。笑っているけど笑っていない。
涙は出ていない。でも泣いている。今思えばその方が表現としては正しいように思う。

「キモすぎて本当に無理!!!」

アオが叫んだ。

「ごめん。本当にごめん。今のは俺じゃない。ガチで取り憑かれてた。」

クロが真剣に言う。

📹

アオはあの時、過去のトラウマを思い出すくらい本気でクロをキモいと思ってしまったらしい。友だちを心から「キモい、こっち来ないで、生理的に無理」と思うなんて、珍事件すぎたと話す。

クロは本当に誰かが自分に乗り移った感覚だったらしい。いつもコントが始まると長々とやり過ぎてアオに怒られるけど、「取り憑かれた」と表現できるのはこの1回だったかもしれない。

2人の顔は余韻で笑顔のまま。お互いに謝り、アオとクロは、この日1番のしんみりムードだった。
・・・

でも忘れてはいけない。

この時、私はまだ、ポージングをキメテいる。

いつもワンテンポ遅い私は、まだ1人世界に取り残されたままだった。
しばらくすると、じわじわと込み上げてきた思いがあった。
それは胸を締め付けられるような悲しい気持ちだった。
それと同時にやっと私もその世界から抜け出せた。
辛い過去の記憶が蘇ってピンチのアオに寄り添えなかった自分が嫌になった。

お分かりいただけただろうか。
これが俗にいう【カオス】

深夜だったので心霊現象だったのかもしれない。

🌝

そのままリビングに3人腰掛けて、今起きたことについて思うことを順番に話した。
全員、根は真面目。
あれは何だったのか。
一生忘れない珍事件だった。

1番怖いのはこれが全員シラフの大人だということ。

ここまで読んでくれた人がついて来れたかが心配。


今日はここまで。


アオ・・・同居人の女友だち
クロ・・・同居人の男友だち

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