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エルヴィスというポップ・ミュージック史の巨大な謎、そしてその入口『エルヴィス』③【映画レビュー】
★★★★☆
鑑賞日:7月7日
劇場: 109シネマズ名古屋 IMAX
エルヴィス・プレスリーはよく分からない。
超有名でその名前やルックは老若男女問わず知るところだろう。
が、あまりにも巨大なアイコン過ぎて、その実像はよく分からない。
私は1982年生まれで、そこそこロックやポップ・ミュージックを好んで聞いてきたが、エルヴィスとの接点・入口がいまいち掴めなかった。
それは例えば、「サージェント・ペパーズ」や「ペット・サウンズ」の様なエルヴィスと言えばこのアルバム!と誰もが思い浮かべるポップ・ミュージック史に残る名盤が無い(とされている)ことや、その長いキャリアによるところが大きいと思える。
逆にプレイリストの時代となった今こそ、エルヴィスへの扉は大きく開かれているのかもしれない。
そして、この映画もエルヴィスという巨人への最適な入門だろう。
エルヴィスの少年時代から晩年までのキャリアを網羅しているし、演奏シーンがいちいちカッコよく主演のオースティン・バトラーの歌も良い!
そう、エルヴィスってメチャクチャカッコイイんだ。
最初のライブの場面。
リーゼントにピンクのスーツ、化粧をしたエルヴィスが腰をくねらせながら、ロックンロールをがなる。
悲鳴をあげ熱狂するオーディエンス。
これは痺れる。
こんな凄いライブをするエルヴィスだったが、結局海外ツアーに出ることはなかった。日本を含め各国からオファーがあったのに、生涯を通してアメリカでしかライブをやっていない。
その辺りは映画本編をご覧ください。
個人的にとても好きなエルヴィスのアルバムがある。
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映画でも描かれていた、ラスベガスのインターナショナル・ホテルでのライブ盤。
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セットリストは、「ブルー・スエード・シューズ」に始まり、「ジョニー・B・グッド」、「イン・ザ・ゲットー」、「サスピシャス・マインド」とカバーもオリジナルも代表曲ばかりで最初から最後まで楽しい。
要はホテルでのディナーショーなのだが、大所帯のバンドセット、コーラス、そして何よりエルヴィスの歌声が素晴らしい!
オススメです。
(text by President TRM)