【野口健'S VOICE】いつでも動ける連携も大切な備え
私は、2011年の東日本大震災での寝袋支援から始まり、これまでいろいろな形で災害支援活動を行ってきた。支援物資として必要と思われるものの寄附をSNSなどを通して呼びかけると、全国からたくさんの支援品が届き、それを仕分けして、被災地に送る。SNSのおかげで、災害が起きた直後に寄附の呼びかけを行うことができるようになった。とは言え、自分たちでできる支援活動には、限界があるのも現実である。
2016年の熊本地震の時、支援物資を送らいたいがどうしたものかと困っていた時に連絡をいただいたのが、以前からお付き合いのあった岡山県総社市の片岡市長である。被災地である益城町と直接連絡をとり、支援活動の統制を取ってくれたのである。民間団体である私たちが支援物資を集め、自治体としてのつながりがある総社市が益城町との連絡役となってくれたため、避難所としてのテント村というかつてない避難所運営を行うことができた。
私たちは、その後、総社市と災害支援協定を結び、全国で起きる災害被災地で一緒に活動を行った。自分たちだけでできることは、決して大きくはないが、いろんな人と手を組むことによって、活動の幅は確実に広がるのである。
そのため、同じような思いを持つ団体と災害支援協定を結び、何かあったらときには協力し合って活動しようと話し合ってきた。歌手のさだまさしさんが代表を務める風に立つライオン基金もその一つである。
そして、今年2月におきたトルコ大地震。総社市や風に立つライオン基金をはじめ、一緒に支援活動を行ってきた企業とともにとても大きな支援活動を行うことができた。地震が起きてから3か月ほどで、寝袋5,000個、ソーラーランタン22,000個を被災地に送ることができたのである。
もちろん、災害支援協定など使われることがないに越したことはない。しかしながら、震度5が何度も続く日本。いつ何が起きるかわからいからこそ、日頃から、連携を取りいつでも動ける体制を作っておくことが大切なのである。
※ソーラーランタンのメーカー、ランドポート㈱の代表
(2023年5月執筆)
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