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【廃寺宣告】④危機…住職の放蕩、あわや法人乗っ取り

※文化時報2020年8月8日号掲載の連載記事です。写真は山門と墓のみが残る山口県平生町の浄土宗法輪寺です。今回が最終回です。

 次第に廃れたことで、宗教法人の乗っ取りの危機に直面した寺がある。山口県平生町の浄土宗法輪寺。減収と住職の放蕩が原因で無住寺院になり、廃したまま放置されたが、境内地はオウム真理教の関係者名義になり、社会問題に発展する様相を見せた。

正体隠し、忍び寄るオウム

 法輪寺は、平生町の商工業者に支えられてきたが、地域経済の衰退とともに寺院収入が減少していった。かつての住職は、青少年の矯正施設の指導者として生計を立てていたが、妻の死を境に、酒に溺れるようになった。方々に金を無心し、揚げ句の果てには、悪い筋からも借り入れたようだという。

 地域で書店を営んでいた元檀信徒は「昔は年に一度の法会があって、接待の手伝いに上がった。住職は立派な人で、字が上手だった。ただ、奥さんを亡くして寂しかったのだろう。貸すことはなかったが、うちにも借金の申し入れがあった」と振り返る。

 総額300万円に満たなかった借入金は利息で何倍にも膨らみ、担保物件の境内地は差し押さえられた。さらに悪いことに、転売ブローカーを経て、オウム真理教の関係者名義で土地が取得された。

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