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田んぼや川の底にいるいきもの図鑑

淡水ベントス(=底生動物)と呼ばれるいきものを知っていますか?

貝やヒル、プラナリアなどのように、水中の泥の中、石、水草の表面などにいる水生動物を、まとめてベントス(底生動物)と呼びます。

ビオトープに何か居るな〜、でもなんだろう…と思ったら、それは淡水ベントスとして生きるいきものかも!

今回は、そんな淡水=田んぼや川(+湖、地下水など)にいるいきものたちを、編集部Iの一言付きダイジェスト版でご紹介します。

(※本記事は、 田んぼや川の底にいるいきもの図鑑 第1回 ようこそ淡水ベントスの世界へ 〜基礎知識編〜(著・写真:藤野勇馬氏)のダイジェスト版です。リンク記事中ではもっとたくさんの種類をご紹介していますので、ぜひご覧ください!)

モノアラガイ 基部がひろく、ネコミミ状の触角をもつ。もっともよく見られる淡水巻貝とされることもあるが、地域によっては絶滅危惧種に指定されている。

ちっちゃなおめめと、のぺっとした顔が、かわいい…

ドブシジミ属の一種 足を使って元気に動きまわる様子。排気マフラーのような水管は進行方向後方を向いている。

透明感が溢れていて、癒されかわいい。
(ドブシジミ類の大きさは1~10mmと、とっても小型)

ヒル

シナノビル 源流部にすみ、サワガニなどの甲殻類を捕食する大型のヒル。背面に並ぶ5列の黒斑と頭部先端の皮弁が特徴。体は柔軟で粘液が多いのでさわり心地はトゥルトゥルとしている。幼体は脊椎動物の粘膜に寄生するとされ、人への寄生例もある。体長はリラックスした状態だと60mm程度だが、体幅が広く、とてもよく伸びるのでもっと大きく感じる。

…なんか、顔に見える!!!

プラナリア

ナミウズムシ プラナリアといえばこの顔。言わずと知れた有名生物だが、実はプラナリア類としてはかなり異質で、ミヤマウズムシなどを含むヒラタウズムシ科よりも陸上にすむコウガイビルなどに近縁であるとされている。体長はふつう10mm程度だが、最大で30mmを超えるものもいる。

プラナリアーッ!!!
(切っても死なないことで有名ですが、数十、数百の断片から全身を再生できるほどの極めて再生能力をもつのはナミウズムシとごく一部の種だけなんだって。)

コケムシ

ヒメテンコケムシ科の一種? 琵琶湖で見つけた流れ藻に付着する群体。馬蹄型の触手冠(しょくしゅかん)の構造がよくわかる。各個体は淡水コケムシとしては比較的大型で、3~4mmあった。

なんじゃこりゃあ。
花びらのような触手をもった個体が多数つながりあった「群体」という状態で生活しているそうです)

ヒモムシ

マミズヒモムシ 水底の落ち葉の裏や水草の表面などに住んでいる、細長いピンク色の体を持つ体長6~10mmほどのヒモ状の生き物。汎世界的に生息しており、外来種の可能性がある。目の数はまちまちで、4~8個のものが多い。

よく見ると、右側に目がある…

カイメン

琵琶湖の岩礁湖岸に生える淡水海綿 よく日が当たる環境には共生藻類をもった緑色の個体が多い。

植物じゃなくて、動物なんだ(驚)
淡水海綿は基本的に白~灰色で、細胞内に共生藻類をもつものは鮮やかな緑色をしていてまるで植物のようにも見えるとのこと)

ヒドラ

ヒドラ属 長い触手でプランクトンなどをとらえて食べる。日本国内からは5種が知られる。体の長さは5~10mmくらいになる。

怪獣みたいな名前だけど、意外と小さい。

ヨコエビ/ミズムシ

メクラヨコエビ属の一種 北海道から与那国島にかけての日本各地の洞窟や井戸などの地下水から見つかる。現在までに12種が記載されている。体長6~10mmくらい。

美…!

ナガミズムシ 主に近畿から九州にかけての地下水に生息している。写真はとある鉄道駅の改札内通路で見つけたもの。最大で30mmに達するとされている。

地下に生きる神秘
ミズムシは陸上生のダンゴムシやワラジムシと同じ等脚目の甲殻類で、地表水で見られるのはミズムシただ1種。その他の種類は、井戸や洞窟などから見つかる地下水生なんだそうです)

終わりに

今回紹介したのは、淡水ベントスの中でも比較的大型でよく目立つものだけで、実際にはこれらのほかにも水生ミミズ、微小ウズムシ、ワムシ、ツリガネムシ、カイミジンコ、センチュウ、ハリガネムシなどさまざまな淡水ベントスたちがひしめき合って暮らしています。

マニアックな淡水ベントスたちに興味をもった方は、詳細な解説と著者の淡水ベントス愛あふれるこちらの記事もぜひチェックしてみてくださいね!

田んぼや川の底にいるいきもの図鑑 
第1回 ようこそ淡水ベントスの世界へ 〜基礎知識編〜

https://buna.info/runningstory/5410/

※淡水中には水生昆虫や淡水生のエビ・カニなどにもベントスに該当する種が多数いますが、今回はそれらは省いています。

(情報・写真提供:藤野勇馬)


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