宮沢賢治『セロ弾きのゴーシュ』

登場人物

・ゴーシュ
セロ弾き。金星音楽団に所属しているが、楽団内で一番演奏が下手。
楽長曰く、演奏に感情がこもっていないそう。

・楽長
金星音楽団の楽長。
よく怒鳴る。褒められると冷たい態度をとってしまうが、内心ではとても喜んでいる。

・三毛猫
ゴーシュの家に来た一匹目の来客。
ゴーシュにシューマンのトロメライを演奏してほしくてやってきた。
ずる賢い。

・鳥(かっこう)
二匹目の来客。
ゴーシュにドレミファを教わりたくてやってきた。

・狸の子
3匹目の来客。
ゴーシュのセロと自身の小太鼓で合奏がしたくてやってきた。

・野ねずみの親子
4匹目の来客。
ゴーシュに息子の病気を治してほしくてやってきた。


あらすじ

金星音楽団でセロの演奏を担当しているゴーシュ。彼の演奏はあまり上手ではなく、いつも楽長に怒られてばかり。楽長が言うには、彼の演奏には感情が足りていないそうで。
その日も、みっちり怒られ、自宅に帰って自主練習を行う彼のもとに猫が訪れる。訪ねてきたわけを聞くと、どうやらセロを演奏してほしいらしい。
毎晩訪れるさまざまな動物との交流を通して、「セロ弾き」として成長するゴーシュのお話です。

読んだ感想

 冒頭での誰かが怒られているときに知らんふりをするのは、今と昔で共通するあるあるなんだなと思いました。
 ゴーシュがめげずに努力する姿には、読んでいて勇気づけられました。また、感情を表に出す練習として、「怒」の感情を出すことが効果的なんだなと思いました。
猫を追い出すときに、マッチを猫の舌でこすって火をつけるシーンはハリウッド映画にありそうな演出でカッコいいなと思いました。

出典

宮沢賢治『セロ弾きのゴーシュ』(青空文庫)

底本
新編 銀河鉄道の夜(新潮文庫、新潮社、1989(平成元)年)

文責:(松)


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