冒険サスペンス小説を書くのに、自分に欠けていた体験をこうして補いつつ
ミリタリー系の冒険サスペンス小説を書こうとした時に、私に欠けている体験があることは十分に認識していた。それは実際の軍務に服したことがない、ということだ。日本人なら自衛隊に入隊する、あるいはアメリカの傭兵学校に入学する、それともフランス外人部隊に入隊する、といった道筋があった(現在ではスペインにも外人部隊があるらしいが)のだ。
1本の小説を書くのに、そこまで考えてしまう私も大馬鹿だが・・・。
そのあたりは疑似体験で補うことにした。それは・・・
サバゲーである。プラスチックの6mmBB弾を撃ち合うサバイバルゲームでお茶を濁すことにした。実はサバイバルゲームには以前から時々参戦していたのだ。私の銃は1発ずつスライドを引いてはチャージするハンドガンとポンプアクションのショットガンタイプの長物。時にはボルトアクションの長距離射撃ができる銃も使った。よく戦死したものである。
そして戦闘が終わると焚火を囲んでの鉄板焼きそばとなる。敵味方関係なく、爆食したものだった。
そこで戦友同士の連帯や、あっさりと撃たれて戦死するはかなさ、泥だらけ、傷だらけになる痛みや気持ち悪さ、などを疑似体験していったのだった。
私のスタイルは、安全靴にタイガーストライプの迷彩、黒ベレーという感じ。戦友から「お仕事の格好はしないで欲しいなー」とよくいじられていた。平和な一市民なのにねー。
しかし小説の中で描くのは、アフガニスタンの山岳地帯における不正規戦、ゲリラ戦なので、正規軍の体験がなくても良かったのである。雑多な武器を手にして、とにかく侵略してきたソ連兵をぶっ殺すという危ない連中の姿を描くことができればよかったのだ。