
今市子(著)「百鬼夜行抄」がKindle Unlimitedで読めるようになっている!
これは大事件です!
皆さん今すぐにKindle Unlimitedを登録して1巻~15巻を読んでください。
実質無料を超えた体験が出来るでしょう。

私は好きな漫画は?と聞かれたら絶対に「今市子さんの百鬼夜行抄シリーズです」とお返事をしているんです。
本当に大好きなんです。

最近は電子版で読んでいますが、本当は大判で全巻揃えたいくらい大好き。
文庫版も発売されていますので是非!

本当に大好きなので素晴らしさをお伝えしたいのですが、好きすぎるあまり
「全部すごい。全部だいすき。」という驚きの語彙力の無さに陥ってしまっています。助けて。
落ち着いて・・・出会いから語らせてください。
小学校の頃から宮沢賢治に傾倒しておりましたし、それより幼い頃からおしいれのぼうけんや、名前も憶えていませんが蕎麦の茎が赤いのは鬼婆の血を吸ったからだ。みたいな紙芝居など
お化けや妖怪が出てくるような少し怖い/不思議なお話が好きでした。

ふるた たるひ (著), たばた せいいち (著)
そんな幼少期を経て中学にあがってから、ついに百鬼夜行抄に出会ってしまいます。
初めて百鬼夜行抄と出会ったのは市立図書館の漫画コーナーでした。
私は真面目な生徒ではなく、かといって不良でもない、協調性のない子供でしたので
学校までの道のりに心がくじけて、学校と家の中間地点より少し手前の信号を左に曲がった所にある図書館へよくサボりに行っていました。
だって遠いのよ。中学が。
そこで宮沢賢治や泉鏡花などを手当たり次第に読み進めていき、その流れで夢枕獏の陰陽師シリーズにハマりました。
そうしましたら図書館の検索エンジンで漫画版があるのを発見いたしました。
(そういえば母は夢枕獏(著)キマイラシリーズを読んでいた記憶が・・・血が争えなさすぎる)

この時に\ 図書館に漫画コーナーってあるんだ! /と初めて知りました。
(児童書のコーナーに世界の偉人的な漫画はありましたが、普通の漫画は違うコーナーにあったのです。)
案内の紙に従って目当ての棚を無事に探しだしました。
有難い事に1巻から8巻くらいまであって、小説と漫画の違いなどを味わいながら読んでいくと
何故か6巻だけ百鬼夜行抄になっていたんです。
1巻から置いてある最終巻までガバッと借りて来たので6巻になるまで全然気が付きませんでした。(両方とも大判でしたし。)
戻るのも面倒くさいので、小休憩のつもりで百鬼夜行抄のページを開いたのですが、もう、衝撃。
な ん だ こ れ は 面 白 過 ぎ る ‼
派手なお話ではないし、冴えないおじさんやおばさんばかり出てくるのに、なんでこんなに引き込まれるんだ!?と本当に不思議な感覚でした。
それから1巻から読みたくて漫画の棚に探しに行って、カウンターにリクエストを出したりして図書館にあった8巻までは読み切りました。
けれど私はオタク気質がある女。
好きになった人は骨の髄まで調べたい。
そこから今市子さんの初期作品などに手を出し始めるのです。
そしてコレがBLとの出会いでもありました。

当時はBLだとも思わずに読んでいました。
あまりにも自然で。
お話を紐解いていった先に実った関係が男同士だったというような感じ。
でも、まんまとBLにハマっていくのですが、それはまた別の話なので。
(図書館にタクミくんシリーズと富士見二丁目交響楽団シリーズが全巻おいてあったのは何故なの?寄贈という名の布教活動だったとしたら、その方は策士過ぎる。)

<出演> 細田よしひこ、酒井彩名、いしのようこ、向井理、市毛良枝(特別出演)、渡辺いっけいほか
ちなみにドラマ化もされています。
当時の私は司ちゃんが栗山千明様じゃなくて大ショックを受けました。
ノルウェイの森でも直子が栗山千明様じゃなくて大ショックを受けました。
ただのファンなので上記のことは流してくださいませ。

百鬼夜行抄の良さは沢山あるのですが、一番は読んでいただくのが早いのですが、稚拙ながら語らせて頂きます。
🔸生活感がいい!
いろんな家族が主人公・津と関り合いになるのですが
その全てが「本当にこんな家庭があるんじゃないのか?」と思ってしまうくらい生活感があるのです。
リアリティがあるとはまた違って、なんていうのでしょうか・・・
その家庭の冷蔵庫の匂いが漂ってくる感じ。
ありませんか?ご家庭の匂いって。
私は大根の漬物が自宅の冷蔵庫に入っている時は、開ける度に「本家の冷蔵庫の匂いがする」と思っています。
日々の生活を営んでいるという「地続き感」といいますか、その家庭の前後がたやすく想像できるくらいの人物設計が本当に見事なのです!
🔸ぬるっと終わる!
悪口ではないです!!!!
よく津が口にしているのは「家族を守れたらそれで良い」なのです。
なので妖怪や土地神やその他魑魅魍魎を対峙しなくてはならない時にミステリー物のように全て解決しようとしません。
時間や人などに任せて手を引く事が多々あります。
これだけ聞くと消化不良で終わりそうな気がする。
スッキリしなさそうでつまらない。
とお思いになるかもしれません。
まったくの見当違いです!
物 語 が 私 た ち に 想 像 の 余 白 を 預 け て く れ て い る ん で す !
よく話題にあがります議題【純文学とは何か?】
私が聞いたのは「エンタメ作品(大衆・現代文学)は起承転結がある。作品側がしっかりと物語の答えを教えてくれるもの。だからミステリーは一般的に純文学にカテゴライズされない。一方純文学はその人の人生のある一瞬を切り取ったもの。だから答えがない。」というものです。
ですので百鬼夜行抄は純文学と名乗って良いと思います!
失礼、オタク特有の主語が大きい極論を話すムーブをかましてしまいました。
我々は答えを求めすぎている。
何故か?
自分で導き出した答えを否定されたくないからだ。
間違っていると言われたくない。
議論より共感。
それは悪いことではない。
でも、少しだけ自分の中の創造の翼を広げて、描かれていない前後の文脈の物語にも目を向けてみたらもっと自由に楽しめるのではないか?と私は提案したい!(誰に?)
このぬるっと感にミントのような清涼感はないかもしれませんが、波紋が凪いでいくのを見詰めるような静寂の美しさがあるのです。
🔸割としっかりギャグ
百鬼夜行抄には個性豊かな登場人物しか出てきません。
全員それぞれに欠点があり、それがチャームポイントだったりします。
人間の理とは違う尺度で生きる妖魔たちとの嚙み合わない会話も面白いのですが
人間同士もまぁ~~~~嚙み合わない!笑
ギャグマンガ日和やボボボーボ・ボーボボなどのギャグではないですが、こっそり笑いどころがたくさん仕掛けられているので無意識に「ふっ・・・」と笑ってしまうことでしょう。
🔸シームレスでフラット
時代的なものもありますが、割とちゃんと差別的です。
ですが、だからこそアクセントになって気が引き締まります。
名前の通りたくさんの妖魔や神様などが出てきます。
現代の科学の尺度では説明できないこともたくさん起こります。
津は子供のころから妖魔が見えていたので、だからこそ「あちら側」と「こちら側」の線引きをしっかり引こうとしています。
魔が差した。とはよくいうもので、疑心暗鬼を生ずなど弱った心に魔が宿ります。
なので「人間の感情の背景」を描こうとすると、その人が持っている差別的な部分がどうしても浮き彫りになってくると思うのです。と呼んでいて感じました。
「あちら側」に敬意を示しつつも、いくら仲良くなったといっても交われない一線がある。
ここの描き方が説教的でもなくて、とてもフラットかつシームレスだと私は思いました。
このバランス感覚・・・・伝われ!
🔸オタク知識が付く!
物理を習っていないけれど知っているシュレディンガーの猫
履修作品を裸にされる粉塵爆発など
オタクをしていると不思議と縁のない専門用語などに詳しくなるもの。
百鬼夜行抄では「土着信仰」や「民俗学」「因習」「呪具」などに詳しくなります✨
私は寝る時にゆっくり音声の怖い話を聞いているのですが、家系にまつわる話や因習など大好物です。
遠野物語でやったところだ!みたいになります。
この辺りは宗教も絡んでくるので本当に面白い。
アニミズムから仏教が入ってきて、神仏習合から廃仏毀釈の流れや
識字率によるキリスト教と仏教の波及の違いなどキリがないですね☺!
人の心と生活から切ってもきれないものが「信仰心」だと思っています。
その神様は自分の心の中の良心かもしれません。
その心が弱った時に人は「魔」と出会うのです。
話が逸れました。(通常通り)
なので、楽しいオタク知識もしっかり身に着けられるよ!

いかがでしたでしょうか?
少しでも百鬼夜行抄の魅力が伝わっていましたら幸いでございます。
重ねてのお知らせになりますが、今AmazonのKindle Unlimitedで読めるようになっていますので
無料部分だけでも良いので是非読んできて頂けましたら嬉しいです♡
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
私はオレンジレンジが歌う前から青嵐って言葉知ってたもんね。というマウント。

いいなと思ったら応援しよう!
