地方文学賞の賞金で文芸同人誌をつくる(第五回)
文学フリマ広島に出店しました なかむら あゆみ 前回のエッセイから2か月が経ち、季節は春から初夏に移ろうとしています。毎年今ごろになると思い出すのが、庭に出て植物を観察する父の姿。何か発見するたび「ちょっと来てみ」と呼ばれ、一緒にカマキリの孵化や新芽や花芽の様子を眺めました。父はその間もナメクジを見つけると躊躇なく手に持った鎌ですり潰し、死骸を一か所に集め、共食いに来たナメクジをまた潰すのでした。ぱっぱ(煙草)を吸っている時でさえ鎌を操る手を止めることのない父の横顔とセブンス