『情況』は国家か?――トランスジェンダー特集と「言論の自由」をめぐる走り書き
【評論】小峰ひずみ ある雑誌の特集が炎上し、しかも特集外の欄に記事を寄稿していたとき、いったいどうするべきでしょうか。ほおっておく。それも可能です。しかし、今回の特集の記事を取捨選択する権限を持っていた塩野谷恭輔さんは友達だ。少なくとも、いくつかの対立を確認し合う知り合いではある。加えて、こちらの持ち込み記事を無理言って組み込んでくださった恩がある。また、正直に述べると、私は新刊『悪口論 脅しと嘲笑に対抗する技術』をまともに取り上げてくださるのは、「変革のための総合誌」(左翼