家族の意味を問いかけつつ、”癒しモード”全開/ドラマ『西園寺さんは家事をしない』
今は重いものより、ほっこりするものが観たい。
そんな気持ちの人に、いちばん推したいのがこのドラマだ。
(以下、一部ドラマの内容を含みます)
稔さん、稔さん、稔さん……。
稔さんのイメージがいまだにある私にとって、松村北斗さんのシングルファーザーは新鮮。でも、カムカムの稔と今回演じている楠見俊直は、まじめな昭和顔の青年という根っこは同じ。しかも今回のドラマで、彼の亡くなった妻の名は「るい」(正式には瑠衣)! ふたりの間に生まれたのは「ルカ」! くぅーーーーっ、この子の自然な演技といい(素でやってるのか?)、表情といい、とにかく激カワの極み。ずっと眺めていたい。元気いっぱいでマイペースのルカに朝から晩まで振り回される楠見も、ずーっと眺めていたい。そして対応力もコミュ力も抜群で、家事以外は何でも“バババッ”とやれちゃう西園寺さんも、ずーーっと眺めていたい。
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松本若菜さんが、ついにゴールデンでの主役を射止めた。ドラマ『チア☆ダン』のオダジョー演じる太郎先生の妻・今日子が好きだったんだけど、ここ数年では『ファーストペンギン!』で演じたクールビューティーな農水省職員・溝口も、好きだったなあ。
今回、松本さんが演じているのは、アプリ制作会社でバリバリ働く西園寺一妃。38歳、独身。ポジティブで面倒見がよく、周りからも頼りにされている。やりたいことはやる、やりたくないことはやらない主義で、家事は一切やらない。もっとも、それは過去の家族とのわだかまりも一因にあるようだ。
そんな彼女が、賃貸ルーム付きの物件を購入し、愛犬と一緒に”家事ゼロ生活”を開始した。しかし、同僚になったばかりの楠見が火事で住まいを失くしたことを偶然知り、賃貸部分を貸すことに。身内の誰の手も借りずに子育てに奮闘してきた楠見は、出会ったばかりの人に甘えるわけにはいかないと一旦は断るものの、行くあてもなかった。
誰にも邪魔されず、家事を一切やらない夢の暮らしをするはずだったのに、楠見親子と接するうちに、誰かと暮らすことに彩りを感じていく西園寺さん。やがて、偽家族チームを組まないかと楠見に提案する。
西園寺さんは、困った人を見ると居てもたってもいられない性分らしく、第3話では、法要のため妻の実家のある静岡へ出かけた楠見が忘れた喪服を、レンタカーを借りて“ばばばっ!”と届けちゃう。行動力がすごい。ついでに、あの広い家を購入する経済力もすごい。
彼女がときどき発する“ばばばっ!”が、クセになるほど心地よく響く。似たことば、前にあったよなあと考えていたら、アレだ。“じぇじぇじぇ!”だった(笑)。家事以外は完璧にこなせる西園寺さんを、さらに魅力的かつ身近に感じさせるのが、シルバニアファミリーの存在。自前のシルバニアファミリールームで悦に入る西園寺さん、そして困ったときのシルバニアファミリー使い! 可愛すぎる!! 好きなものに全力投球する西園寺さんは、最高なのだ。
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ところで、藤井隆さんは『季節のない街』に続いて、今回も社長役。逃げ恥の頃は、まだ社員だったのに。だいぶ出世した。前クールでDr.成増を演じた野呂ちゃんは、西園寺さんの親友でハウスキーパーの宮島陽毬に転生。以前フォローワーさんが「野呂ちゃんの出るドラマに外れなしって言われてるんですよ」と教えてくれたのだが、ほんとそうだな。
第3話のラストでは、実証実験していた偽家族チームにようやく楠見も同意。これからうまく回りそうと思った矢先に、西園寺さんの楠見に対する気持ちが乱気流。ばばばっ!(いや、意味違う 笑)
これはどうなる? 今夜も目が離せない。