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書店パトロール51 年間本総予算案

久々に書店を巡る。いや、書店は頻繁に来てはいるのだが、最近はすぐに買っていたので。漫画ばかり買っている。時間がないので小説は読まない。と、いうよりも、もはや小説は読めない。何を読んでも色褪せて見える。

美術書のコーナーに行くと新刊と、前から欲しい本、この2冊が並んでいた。

最近は、こういうアカデミックな美術書をよく見る。よく見るが、そもそも、美術が好きな人間は、こういうものではなく、より詳しい書物や画集を読むだろう。一過性で読む人は、おそらく数年後にはこの本の存在も、内容も忘れているだろう。そんな気がする。

私が欲しいと思っていた本は、このアートコレクターの本だ。

結構高額で、パラパラと軽く読むと、まぁ、2,000円くらいだろ、ぶっちゃけ、という内容ではあるが、面白い。一度読めば十分なタイプの本だが、生憎今は金が無いので購入など出来ない。
私だって、アートコレクターになりたいが、アートとは、お金のかかるものなのだ。然し、それすらも、騙されている。

そのまますぐに映画本にスライドすると、以前は気づかなかったが、『マッドマックス』の書籍が。

まぁ、発売日を見ると、『フュリオサ』公開と合わせたタイミングであろうが、どうだろうか、やはり、『フュリオサ』の話題をしている人は既にもうほぼいなくなり、『怒りのデスロード』のハードパンチャーと比べると、物足りないのは間違いない。まぁ、好きな人は好きだろうが、けれども、やはりデスロードという助太刀あっての千点なのである(伊藤一刀斎風)。

と、その横に、あまりにも美しい女性が佇んでいる。

吉永小百合、青春時代写真集。青春時代写真集、というのがいい。誰にだって、青春時代、というものはあるものだ。
モノクロの吉永小百合がいっぱい載った非常に美しい写真集だ。私はこれを手に取り、パラパラと捲った。すると、やはりか、『伊豆の踊子』のショット、踊り子に扮した吉永小百合の横に、鼻の下を伸ばしたYASUNARIが写っているではないか!
YASUNARIは、大層吉永小百合を気に入っていたのだという。まぁ、そりゃあ誰でもそうだよね、ってなもんだが。

そんな横に、もう一冊、美しい女性の写真集が。

うーん、マンダム。新装版である。瓶、と聞くと、夢野久作の『瓶詰の地獄』を思い出す、そんな私である。あれの丸尾末広版は良かったなぁ。
で、この瓶の中は、高峰秀子の愛用品を美しい写真で見せるエッセイ本だ。
私は、こう見えても、ボンボニエールとか好きでね。ああいう細工物が大好きなんですよ。お菓子とかをね、可愛い綺麗なカンカンに入れるなんて素敵。マッチ箱のラベルとか、マスキングテープとか、包装紙とか、そういう色とりどりのものが大好きなんですよ。

そんな私の前にヒグチユウコの画集が。と思ったら、画集、というよりも、アート&映画ポスター&映画について語る、的な内容の本。

最近、好きそうな映画は大体ヒグチ、っていうくらい、ヒグチユウコのイラストポスターを見かけるが、この本もまた、私の芸術心をたまらなく擽るのだ。

然し、私に言えることが一つあり、それは、どの本も高い、ということである。
2,000円〜3,000円もする本なんてポンポンポンポン買ってられるかーい!ってなもんで、まぁ、私にだって、年間の本総予算というのはあるのだいっ。

年間の本の総予算。つまりは、それを天井として本を買うことができる予算(同じことを言っている)。
本好きならば、まぁ、月3,000円は予算を組んでいることだろう。いや、まぁ、3,000円とか少なすぎなのだが、然し1年で36,000円である。

然し、今は、本全体が値を上げている(音も上げている)。『ワンピース』なんて、今では572円くらいする。それが年に3冊くらい出る。つまりは計1,716円である。一昔前は、1冊410円とかだったので、4冊も買えていたのだ。
こういう追いかけている漫画作品が3種類くらいあれば、もうそれだけで5,000円以上が飛んでいく。
小説とか、1,000円ではきかない、2,000円3,000円するものもたくさん出ている。
図書館や100円均一の中古本を買って読む、というのも勿論ありだが、然し、新刊を買わないと作者に還元されない、とか文句を言う輩も多いではないか。
私の年間本総予算は月8,000円で96,000円くらいだ。然し、古書は除く。古書、それも狩猟の対象ならばそのリミットはオーバーブレイクするのである。
まぁ、本当の本好き、ならば、恐らくは、月30,000円〜50,000円くらいは本に費やしているだろう。
然し、年間本総予算に加えて、年間サブスク総予算、年間映画総予算、年間ガチャガチャ総予算など、資本主義は牙を剥いて私を裸に剝こうとするのだ。いやーん♡マイッチング。

で、そんな私はまた漫画を購入する。『ひらばのひと』の第5巻。講談漫画である。

落語漫画の『あかね噺』は大量に刷られて平積みの日々だが、『ひらばのひと』は新刊コーナーに1冊、ささっているだけだった。だからこそ、私は『ひらばのひと』を推したいのである。だって、あかねちゃんはたくさんの読者に支えられているわけで、今更私の財布からそれを毟り取ろうなどと、そんなことをせずともアニメ化は約束されて、部数は一気に数倍に膨れ上がるのだから……。


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