プロサッカー業界からタレントマネージャーにキャリアチェンジ。buggy 野村公がエンタメに進んだワケ
美容系クリエイターのプロデュースやキャスティング、企業のSNSやYouTubeのマーケティング支援などを手掛けるbuggy株式会社。代表を務める関根(@mu41208)と、buggyに関わるさまざまなメンバーが対談する本企画。
今回のゲストは、buggy株式会社でIP・エージェント事業チーフマネージャーを務める野村公。
buggyに2人目のメンバーとして入社し、現在はありちゃん・野原遥・山賀琴子の3人のマネージャーも担当しています。
エンタメ業界で日々奮闘している野村ですが、実はサッカーチームのマネージャーとして働いていた経歴を持っています。
まったくの異業種からエンタメ業界に転職した理由や、サッカー業界との共通点や違いについて語ってもらいました。対談を通じて、業界を越えたキャリアチェンジを経験したからこその気づきや苦悩も明らかになりました。
タレントマネジメントを学ぶために、サッカー業界からbuggyへ
関根:まず、これまでの経歴から話してもらおうかな。
野村:和歌山県出身で、高校生までずっとサッカーをしていました。サッカー選手を目指してサッカーが強い大学に進学しようと思っていたのですが、上手な選手との実力差を痛感して。
それで高校生の頃にサッカー選手の夢は諦めたのですが、サッカーに携われるJリーグのスタッフとして働きたいという思いが生まれたんです。
高校卒業後はスポーツ学科のある東京の大学に通いながら、元日本代表の名波浩さんが運営する小学生向けのサッカースクールでアルバイトもしていました。大学2年生の頃、名波さんが静岡の「ジュビロ磐田」というサッカーチームの監督になったんです。そこでサッカーチームのマネージャーとして働き始めました。
関根:そんなにサッカーが好きだったのに、何で辞めたの?
野村:今もサッカーは大好きです。ただ、僕が4年目のときに名波さんが監督を退任されたことをきっかけに、自分のキャリアを見直すことにしました。
そのタイミングで、当時現役で活躍していたサッカー選手の那須大亮さんがYouTubeで発信をしているのを見て、いろんな選手がSNSやYouTubeを活用した活動ができたらいいなと思ったんです。
なので、一度エンタメ業界でタレントマネジメントを学んでから、サッカー業界に戻るという決意をしました。
関根:那須さんは、現役のスポーツ選手でYouTubeをいち早く取り入れたパイオニア的な存在だよね。
選手がYouTubeで発信をすることは試合の集客に繋がるし、プレイヤー以外のところでも収益が生まれる可能性があるとして話題になってたよね。その様子を見て、YouTubeやりたいと思っている選手もたくさんいたはずだし。
野村:それでタレントマネジメントを学びたいと周りに話していたら、関根さんを紹介していただくことになったんですよね。
関根:大学の同級生に「会ってほしい人がいる」と言われて、渋谷の居酒屋で初めて野村に会って。朝5時まで飲んで、東京に来れる時期や給料などの条件の話をして、その3日後くらいには上京してきたよね。
野村:懐かしいですね。家を借りるまでは先輩の空き家に住ませてもらっていました(笑)。
関根:当時は俺がまだひとりでbuggyを経営していたから、野村が2人目で。エンタメ業界の人たちに野村のことを知ってもらおうと思って、毎日飲み会に連れて行ってたよね。
野村:本当に毎日飲み会の時期がありましたよね(笑)。関根さんが僕を採用してくれた決め手はなんだったんですか?
関根:野村も、ありちゃんやのはるみたいに、すごく“気合い”が入ってたんだよね。あと、俺は縁を大事にしているから。誰かに「この人を助けてあげてほしい」と言われたら、とことん向き合うようにしてる。
マネージャーが“主導権”を持って案件をジャッジする
関根:サッカー業界からエンタメ業界に転職してきて、大変なことはある?
野村:美容のことがまったくわからないのと、案件を引き受けるかどうかのジャッジが難しいです。金額が安くても受けたほうがメリットのある案件なのか、金額が高くても受けないほうがいいのかがわからなくて。特にコスメブランドや美容メディアの知識をつけるまでは、すごく悩みました。
関根:「なぜこの案件がこの金額なのか」「同じフォロワー数でも金額が違うのはなぜか」といった値付けのロジックの理解も難しかったんじゃない?タレント力という見えない数値を感覚的にわかるようになるには業界にいても難しいから、他業界から来たらもっと理解できないと思うし。
あと、タレントそれぞれが持っている「テンションが上がる仕事の基準」を理解するのは、俺もめちゃくちゃ苦労した。仕事をただ本人に伝えるだけだとマネージャーではなくただの伝書鳩になってしまうから、マネージャーがいかに主導権を持って案件の良し悪しをジャッジできるかは大事だよね。
野村:ジャッジに加えて、タレントへの伝え方も大事ですよね。
関根:そうそう。最終的に判断するのはタレント側だけど、迷っているときに提案するのも俺らの仕事だからね。野村はこの3年間でクリエイターや周りのエンタメ業界の人と対話してきたから、最近は良いジャッジや提案ができるようになってきたんだと思う。
野村:現場でお会いする他のタレントやクリエイターのマネージャーさんと話しながら吸収していけたのは、良かったです。
「一つひとつの動画が勝負」その意識でモチベーションを維持
関根:サッカー選手とクリエイターのマネジメントで共通していることは?
野村:人が相手であることですね。何をしたら本人が喜ぶかは性別や職業ではなく個々で違うので、“サッカー選手”や“クリエイター”ではなく、人として向き合うように意識しています。
関根:逆に違うことは?
野村:クリエイターにはわかりやすい"本番"がないことです。サッカーだと毎週末に試合という本番があるので、勝っても負けても次の試合に向けてモチベーションを高めていくことができます。一方でクリエイターは試合のような明確な本番が少ないので、モチベーションのコントロールが難しいんです。
関根:明確な試合相手がいないから、己との戦いだもんね。
野村:だから「一つひとつが勝負」と伝えることは多いですね。ありちゃんからも「いつも勝負事として捉えてますよね」と言われます(笑)。
関根:スポーツと違って、クリエイターにはシーズンがないからね。「今年はダメだったけど来年は頑張ろう」と言えない。だから、たまに「今自分は業界で何番目だと思うか」をわざと聞いてる。他のクリエイターとの対比ポイントを作ることで、成長に繋げてほしいから。
関根:あとは、新しいプラットフォームが出てきたら「すぐ試せ」とは伝えてる。インスタやYouTubeがダメでも、そのプラットフォームで先駆者になれるかもしれないし。
これはマネージャーにも通ずる話で、最近は「早くWeb3に触れた方がいい」って言ってるよね(笑)。もし、今後Web3系のクリエイターが出てきたときに、知見がないと話せなくなっちゃうから。
野村:言ってますね。プラットフォームを活用するのはクリエイターだとしても、僕自身も知っておかないと対話できないですし。
いつ何を聞かれてもいいように、常にあらゆる情報にアンテナを貼っておかないといけないですね。
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今回は、buggyのメンバーである野村公に経歴やマネージャーになった理由などについて語ってもらいました。
どの業界でも、マネージャーは一人ひとりと向き合うことが大事という共通点、クリエイターにはシーズンがないからこそ一つひとつの動画が勝負になるといった話は、サッカー業界にいた野村だからこその気づきだったと思います。
次回も引き続き野村公が登場。伸び続けているクリエイターを支えるうえで意識しているポイントなどを語ってもらいました。ぜひお楽しみに!
<撮影協力>
今回の撮影は渋谷駅より徒歩6分の所にあるたまごサンドとコーヒーが美味しいお店「Beans Garage Coffee」にご協力いただきました。
<ふたり広報:取材・多葉田愛/執筆・伊藤美咲/編集・えるも/写真・琴>
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