私が「営業」を義務教育の科目にすべきと思う理由
この記事はクリスマスまで日替わりでバトンを繋いで記事を書くという「営業 Advent Calender」の記事です(私は5日目担当です)
素晴らしいメンバーに混ざって書かせていただいてるので、ぜひ他の記事もご覧になってください!
自己紹介
Buffという会社で代表をしております、中内です。
色んな企業さまに営業顧問として入らせていただき、3ヶ月で売上を3倍にするなど、強い営業組織作りを事業として行っております。
12/2,3,4日目と学びになる記事が続いたので(本当に勉強になりました)、ちょっと趣向を変えて書かせていただきます。
営業マンという職種
突然ですが、あるランキングを発表します。
ショックです泣
営業の事業をやっていて、元ゲームクリエイターの自分からすればすごい悲しい結果でした笑
まあただ別にこれは個人の価値観なのでこの記事でそれを否定するとか、そういうことはしません。
ただ世の中にこういうイメージが広がるのは悲しいので、誤解されてそうなとこに対して私の意見を書きます。
個人的には、自分のキャリアは自分で決めるものだと思っているので、
・まだ営業をやったことがない人(就活生や転職者)
・営業をやってるけど面白くないなーと思っている人
に営業の正しい魅力が伝われば良いなーと思って書きます。
そして最後にタイトルの「義務教育の科目にすべきと思う理由」に繋がります。
ちなみにどちらにしろポジショントークなのは変わらないのですが、私自身はほとんど営業経験はありません。
ただいわゆるトップ営業マンと呼ばれる人たちに毎日のように会い、営業マンや営業組織を研究をしている立場から書いていきます。
では営業という仕事に対して持たれがちなネガな印象とはどんなものでしょうか?
その1 ノルマがある
確かにそうです。ただひとこと言わせてください。
目標のない仕事なんてないです。
みんな何かしらの責任を負って働いています。
ただ営業の特徴として目標や実績が数値化しやすい、というのはあります。
なので成果が数値で見えやすく、残酷にありのままが出てしまうというのはあると思います。
ただ一方で数値化されるメリットもあります。
変化量が分かるので振り返りがしやすくPDCAが回りやすいです。
またリードタイムの短い商材であれば周期も短くPDCAが回せるため、数値で変化が見え、成長を楽しみやすいとも言えます。
その2 ペコペコしないといけない
確かにそんなイメージあります(ドラマとかCMのイメージはそう)
ただ、私が会った優秀な営業の方たちはむしろみんな肝が座っており堂々とした方が多いです。
そういう方ほど、自虐したり、こちらを褒めたりしてくださいますが、それでも自分や自社商品への自信があり、それが伝わってくるためペコペコしてるようには全く映りません。
中にはクレームはチャンスとまで言っている人もいて(これは私からすると意外でしたが売れる営業マンには共通の考えっぽい)、その意図を聞くと「意見や感情をぶつけてもらえるから、それを受け止めて向き合えば、むしろ追加で買っていただけることもある。お客さんは別にケンカしたり、人格を否定したいとかではないから冷静に聞けばいい。」と言ってました。
もちろん商品を売りにいく側ではありますが、別に媚びへつらわなければならないという訳ではありません。相手を損させようとしている訳ではなく、むしろ得や幸せをもたらすために売っているので、ペコペコする必要は一切ありません。
その3 地位低そう
サービス工程の下流なだけで、身分制度で下な訳じゃないです。笑
むしろ会社において非常に重要な唯一の役割を担っています。
営業は、唯一お客さんからの生の声を集められる非常に重要な役割です。
当然その中には感謝もあれば、要望もあります。
詳しくは以下のnoteで書いているので興味がある方は御覧ください。
その4 誰でも出来る
誰でも挑戦は出来ますが、相当奥の深い仕事です。
聞いて話せれば出来る、ものではなく、むしろ
「聞く」と「話す」だけで、お客さんがまだ体験したことのない価値を理解してもらい、意思決定をしてもらう仕事です。
例えば、優秀な営業マンは商品の見せ方ひとつでもすごいこだわりを持っています。
ある高級商材を売っている営業マンは、商品を机に置く際は赤絨毯を敷いてその上に置くし、申込書はそれ用のおしゃれなファイルから出すし、サインは高級な万年筆を用意してました。商品のデモには一切の無駄がなく、当然詰まったりもしないので「ああ、簡単に操作出来るんだな」という気になります。
これは大げさでもなんでもなく、その商品の見せ方のためだけに何百回というロープレを行っているからなせる業です。
「営業」を義務教育の科目にすべき理由
ここまで書いてきた通り、私は営業は楽しく、かつ価値のある仕事だと思っています。
営業を極めたプロは本当にかっこいいですし、そんな人がもっと増えたらなとは思います。ただ全員が極める訳ではないにせよ、営業という仕事から学べることは大いにあると思っています。
営業に真剣に取り組めば、3つのスキルが身につくと思っています。
そしてそれが私が「営業」を義務教育の科目にすべきと思っている理由です。それぐらい汎用的で重要なスキルだと思っています。
スキル1 必達意識(勝ち癖)
売れる営業マンは、達成することが当たり前になっています。月末に未達ペースの時のそういう人のピリピリ感はすごいです。
仮に3年間営業をすれば月次達成するチャンスが36回あります。
そのうち達成出来た回数分だけ勝ち癖がつき、それ次第で今後のあなたの何かに取り組む時の諦めの悪さが変わります。
数字を追っかけ、結果が白黒ハッキリするからこそ「癖」がつきます。
スキル2 ニーズ把握力
営業とは、目の前の人が何を求めているのか(ニーズ)を考える仕事です。
どんなビジネスも誰かのニーズを満たすことで成り立っています。それに向き合う経験は、ニーズとはどういうものかを教えてくれます。
私はこれまでスタートアップという領域に入って3年間いろんな事業を試し、検証してきました。
その中で痛感したのは、「売るに勝る検証はない」ということです。
お客さんにサービスを使ってみてもらったり、ユーザーヒアリングしたりももちろん大事ですが、その時は「これいいですね!」とか「リリースしたら買います」と言われても、いざそうなったら買ってくれないなんてのはザラです。
最も決定的なのは「それに対してお金を払ってくれるかどうか」です。
いざリリースして買ってくれないのはお客さんの本当のニーズを聞けていないからです。
単にヒアリングが下手でニーズまで辿り着けてないこともあれば、本人も自分のニーズに気付いていないということもあります。
ニーズを掴むことなくして売れない営業という仕事だからこそ、そこに対して努力するしPDCAが回ります。
スキル3 先にGive精神
色んな営業の方にお会いしていて共通して思うのは、優秀で時間を取っていただくのもありがたい、という方ほど「先にGiveしよう」という精神が凄いです。
これは「返報性の法則」という「何かをもらうと返したくなる」という原理に基づいた合理的な行動なのですが、もちろんそれを意識しているという訳ではなく、単に営業によって染み付いた当たり前のことという感覚なのだと思います。
だからいつも優秀な営業の方とのコミュニケーションは気持ち良いし、素晴らしい人格だなと感じさせられることが多いです。
これらの力はどれも、カスタマーサクセス、マーケティング、商品企画などあらゆるビジネス職の基礎のような力であり、
ビジネス職以外でも「自分を売り込む」や「対人関係構築」という意味合いで役立つものだと思います。
どうすれば優れた営業マンになれるか
ただし、それが該当するのは正しく努力をして学べた場合のみです。
正直、子どもになってほしくない職業にランクインするのは、正しく学べていない人が少なからず存在するからなのだと思います。
ならどうすれば優れた営業マンになれるか。
答えはシンプルで、良い環境に飛び込む、です。
良い環境とは、個の水準が高く、チームで共有する文化のある組織です。
営業は数値化しやすい仕事です。
なので、訪問数や受注率などの売りまでの水準もすべて可視化されます。
可視化されれば、他のメンバーと比較すれば自分がどこに余地があり、その余地がうまいメンバーが誰かまで分かります。
自分ひとりで学びながら進むよりも、周りの学びを吸収した方が当然成長は早いです。その意味でチームでのノウハウ共有は必須です。
また訪問数などのボリューム系の水準はその組織の当たり前レベルに大きく影響を受けます。みんなが1日2訪問しか行かない組織で自分だけ5訪問行っていたら辛く感じるかもしれませんが、みんなが7訪問行く組織なら6訪問でも焦るはずです。
なので、
・売りまでのKPIが可視化されている
・各KPIの水準が高い
・チームでノウハウを共有し合っている
これが揃っている環境が、成長するための最適な環境です。
まとめ
・営業に対するネガな印象はだいたい誤解
・営業を真剣にやれば「必達意識、ニーズ把握力、先にGive精神」が手に入る
・組織で営業するなら「個の水準が高く、チームで共有する文化のある組織」がおすすめ
私は営業の経験が長い訳ではありませんが、営業という仕事、営業マンという生き物が大好きです。
世の中に生き生きと働く営業マンが増えれば嬉しいです。この記事がその一助となれば幸いです。
長文に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
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