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【連載】残された人生は大学卒業まで!? #146 一年で一番眠れない日

 クリスマス。小学生の頃はクリスマスイブの24日がワクワクしてしかたなかった。

 この日になると、母と一緒にケーキの材料を買いに行き、家に一日こもってケーキを作る。レシピは母のめちゃくちゃボロボロのいつから使ってるの?っていうメモ帳に書いてあるものを参考にして作っていく。

 その日だけ登場する電動泡立て機。二つのアタッチメントを装着し、母親に言われた通り、卵を泡立てていく。小さい私には電動泡立て機を使って長時間泡立てる作業が大変だったのをよく覚えている。

 スポンジ生地が完成すると、それをバターを塗った型に流し込んで、いつもすき焼きとか鍋とかをする鍋に入れて蒸し焼きをする。なんで鍋に入れておくだけであんなに膨らんで、美味しい生地になるのか訳がわからなかったけど、楽しかった。

 スポンジ生地を焼いている間に、チョコレートを溶かして生クリームを入れて生地に塗るチョコレートを用意し、生クリームを氷の入ったボウルに付けながらツノが立つまで泡立てていく。

 生地が完成するとそこから一気にケーキっぽいなりになっていく。チョコレートを満遍なく塗って、少し冷やして、生クリームを絞っていく。あとは好きなデコレーションをのせるだけ。

 とても綺麗なケーキとは言えなかったが、一年で食べるケーキの中で何より美味しかった。翌日まで大事に大事に小さく小さく切りながら食べていく。これが終わったらまた来年まで食べられないのか、と悲しい気持ちになりながらも食欲には勝てず、手作りケーキを食べていく。

 そんな感じでクリスマスイブを毎年家族で楽しく過ごせたのはとても幸せだった。

 24日の夜はサンタさんが来ると思うとワクワクしすぎて眠れなかった。眠れなくて母親に泣きぐずっていた。めちゃくちゃ怒られた。早く寝ろって。母親はたまらんかっただろうな。

 子供の頃にはあったクリスマスの魔法を、歳を重ねるごとに魔法をかける方へと移り変わっていた。サンタは偉大だ。クリスマスは何気ない一日に不思議な感覚を大人になってもくれる特別な日。

 思い出話とともに、メリークリスマス。


 BU(◎)DOH

 

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