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手記はいかにして改訂されたか?――法月綸太郎パッチワーク論
法月綸太郎氏の綸太郎シリーズについて、論じる前に、やはり彼が「どこからその参考文献を集めてきたのか?」を示しておく。
『雪密室』
ジョン・ディクスン・カー『白い僧院の殺人』。
エラリー・クイーン『オランダ靴の謎』。
カー風の謎をクイーン風のロジックで解くという、綸太郎シリーズ一作目。
この辺りでは作者は本当に楽しんでパズラーを書いていたのだと思う。
面白みがあまりないという表現はここでは置いて
鳥飼否宇「幽霊トンネルの怪」(密室と奇蹟 J.D.カー生誕百周年記念アンソロジー収録)読了。
綾鹿市シリーズ。カーのマーチ大佐物(『不可能犯罪捜査課』)のオマージュである。謎解きには(ある程度の)特殊知識が必要だが、消えた幽霊自動車の謎は早々と分かる。問題はその先の人間関係のいざこざ。怖いです。
【ネタバレ注意】
トンネル内の非常駐車帯というのは、早い時点で読者の目に触れているので分かるだろう。問題は、その先。犯人は何故そのトリックを使ったのか? という部分と人間関係のいざこざが難し
noteはじめました
冷やし中華。