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映画が非常に楽しみ

ボクたちはみんな大人になれなかった 感想

題名からしてもっとドロドロの人間関係や何かにハマっていく『大人になりきれない大人』を想像していましたが、全くもって違いました笑

ネトフリで映画化すると知ってすぐに楽天ブックスで他の本と一緒にこの作品を注文。
僕が大好きな女優[伊藤沙莉]さんがヒロイン役を務めると言うので、ヒロインがどんな人物なのか気になってしょうがなかったのです。

名前は知っていたけれど、実は燃え殻さんの作品を読むのは初めてで、どんな文章の書き方をするのか想像するだけでもちょっとワクワク。手元に実際の本が届くと、意外とページ数が少ないことに驚いた。作品自体は約170ページに収まっているにも関わらず、読後はまさしく映画を見たような感じにさせてくれるので、恐らく活字初心者でも読みやすいのかな〜と思いました。

*ここから少し内容に触れます

皆さんは、自分より好きになった人・好きな人に出会った事がありますか?
僕は多分まだ出会ってません笑
そして出会っていたら、恐らくこの感想もまた違ったものになったかもしれません。

全く恋愛経験がない僕が言うのもなんですが、誰かを好きになるのってふとした"時や瞬間"な気がします。

そして昔より恋愛がデジタルになった今、その"ふとした瞬間"を感じられる機会はより限定されてきたのではないでしょうか。

この作品ではボクが[かおり]を好きになる(なっていく)瞬間、そして彼女と自分の一瞬の様な思い出を振り返りながら、現在進行形で進んでる人生に向かい合っていく姿をあまりにも鮮明にそして儚く映し出してくれます。

あまりにも鮮明すぎて1990年代の、まだ僕が生まれていない時代の東京という街のその喧騒が、燃え殻さんの文章から頭の中へひしひして伝わってきました。
ちょっとオーバーかな?笑 いや本当にそれくらい情景が浮かび上がるんです😅

憎いほど素晴らしい表現力だと思いました。
読めば読むほど唸るような一文を見つけるので、その中から何か一つ選ぶのも難しいんですけど、特に印象的だった一文が終盤の方で、ちょっと二人がすれ違い始めてることに気づくボクが頭の中で呟く

「ボクが△で君は☆だったりする」

という一文。確かにそうだなと。単純なパズルみたいに合わさる事の方がむしろ、多様化した現代社会に於いてはレアなんだと、再確認させてくれました。

皆んなが皆、凸と凹じゃない。色んな形があるワケで、そしてそのお互いの歪な形を認め合う事で、一つの形として2人は深く繋がる事が出来るのではないか?と恋愛経験ほぼ皆無ながら思いました笑

この形に例える表現力、堪んないです本当🤤

ボクとかおりの恋、そしてボクが成り上がってきた過程と人間関係について90年代のロックミュージックと共に駆け出していくこの作品からはアナログからデジタルへ移り変わっていく疾走感と、大切な人達との"出会いと別れ"の悲壮感を感じる事が出来ます。

もう本当、リアルなんです。まるで自分が登場人物として参加してるかのような錯覚にすらなります。

高校、専門学生時代の友達、ストリップ小屋のお姉さん、行きつけの喫茶店のマスター。
実在してるからこそのリアルと、読者にその人の特徴、関係性、情景がハッキリと分かる表現力。いや、文章力。両方かな?

ともかくすらすらと読み進めてしまいます。
あっという間に最後のページに達してしまい、読後感のしっとり寂しい余韻と共に色々と考えさせてくれます。

他人がどのように小説を読むかはわからないですけど、僕は時々主人公を自分に重ねて楽しんだりしてます😋

この小説はまさしくコレが凄い楽しめる作品。解説の兵庫さんも言ってましたが、90年世代の人達だけでなく、僕ら世代も自分を重ねて何かを思い出したり、気付かせてくれる作品だと思いました。

恋愛や人生に何かしら疑問や不満、不安を抱いてる人はこの作品を読むと何かに気付かせてくれるかもしれません。

人生は"ケセラセラ"

僕もまだまだこれから色んな人生の選択を迫られて、その度に色々と考え、過去のあんな事やこんな事を思い出したりして感傷に浸ったりするんでしょうけど、まあなるようになるんだと思います😌

それではまた。あでゅー♪


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