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感染症の恐ろしさ

連鎖感染:感想

北里紗月先生の本2作目。

これは最新刊であり、まさしく今のコロナ渦に読むべき一冊として、Twitterでもちらほらこんな意見を目にしていた。

前回僕が読んだ利根川由紀シリーズの最新作。
鼻につくいやーな性格笑の小柄探偵が、今回は未曾有のバイオテロに立ち向かいます。

もう本当下馬評通りでした。
正に今、この状況下で読むべき一冊と言えるでしょう。

バイオテロなんて、現代ではまあ起こりえないですが、この作品ではかなりレアな二つのウイルスを使ったバイオテロを題材にして、ウイルスの本当の恐ろしさをリアルな緊張感と共に教えてくれます。

相変わらず突飛な行動が多い利根川由紀ですが、この作品では利根川以外の登場人物にかなり感情移入させられる構成になっていて、それぞれのちょっとしたドラマが相まって、より話の中に引き込まれます。

特に個人的に一番好きだったのは、直哉(利根川の相棒)が希望の花として例えていた若き女医、白井華が亡くなってしまう節。


もう、本当に泣けます。ここでウイルスの残酷さ、無慈悲さを禍々と見せつけられます。

と言うか、直哉の落胆ぶりを使って、読者にまでえげつない悲壮感を与えてくるもんだから、北里紗月さんの直哉使いには感化させられます笑

そして作中には、基本的な感染予防対策が如何に重要か、そして感染経路や、感染源などの感染症について知るのに必要な情報が細かく丁寧に描かれています。

今私たちが置かれているこのコロナ禍において、どのような行動が必要で、どのように対応しなければならないのか。考えるきっかけとなる作品だと思いました。

ぜひ読んでみて欲しいです。
特に医療従事者は!笑

それではまた。あでゅー♪


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