足踏みしてても靴底は減るぜ
氷河を見たことがあるだろうか?
日本では見られないため、実際に見るには海外に行くしかない。
僕はキリマンジャロ、パタゴニア、カナディアンロッキーで氷河を見たが、パタゴニアの氷河が一番感動したし、好きだ。
「生きた氷河」ペリトモレノ
ぺリトモレノは、アルゼンチンのパタゴニア地方にある世界自然遺産ロス・グラシアレス国立公園の中にある。園内には48もの氷河が存在するが、その中で最も有名な氷河が「ペリトモレノ氷河」。有名な観光地になっている。
規模の大きさが桁違いだ。
全長約35km、面積約250km²、一番氷が厚い部分で700mという巨大な氷河になっている。
ペリトモレノは「生きた氷河」と呼ばれている。
地球温暖化の影響で世界各国の氷河が溶け出し後退が進んでいるが、
ペリトモレノは成長と崩壊を繰り返し、規模を維持し続けているからだ。
多くの氷河が存在するパタゴニアにおいても、後退していない氷河はペリトモレノ含めて3つしかないらしい。
非常に貴重な氷河だ。
氷河崩落の瞬間
氷河の見どころはやはり崩落の瞬間だろう。運が良ければ轟音とともに崩れ落ちる瞬間を見れることができるのだ。
年間700mというゆっくりとした速度で押し出され、氷河の先端の一部が湖へ落ちる瞬間はただただ圧巻だ。
僕は運良くその瞬間を見ることができた。
氷河の何千年という長旅を終える瞬間を見届けることができたのだ。
見るのに夢中で写真を撮ることなんてできなかったのでネットの写真を拝借する。
一生のうちで見ることができるかどうかわからないものを見ることができたのは幸運としか言いようがない。
ペリトモレノでは氷河内をボートでクルーズできたりもする。僕はクルーズはしなかったが、崩落する氷河を間近で見れるのは感動ものだろう。
ちなみにペリトモレノは氷河トレッキングなる最高のアクティビティもある。氷河の上を歩くのはなんとも楽しい体験である。
ザクザクと一歩一歩進んでいく感覚は快感とも言える。
氷河は青い。「グレーシャー(glaciar=氷河)ブルー」と呼ばれている。
長い年月をかけ圧縮されることで密度が高くなった氷河の氷は、中に含まれている空気が異常に少ないため、透明度が非常に高い。その氷の中を太陽光が通過すると、赤い光の多くを吸収し、青い光だけを反射するため、青く輝いて見えるらしい。
実際、とても青かった。蒼かったと言うべきか。
そして、氷河の氷でウィスキーロック。こんなもの最高でしかない。
飲んだ後、また随分と歩くのだが。
成長も後退もしている「生きた氷河」ペリトモレノはとてもお気に入りの場所の一つになった。
最後に、唐突だが、うまくいかない時に気持ちを切り替えられる言葉で終わろうと思う。
足踏みしてても靴底は減るぜ
生きていれば良い時も悪い時もあるけど、歩いて前に進んだほうが断然いい。