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🎄#57 - Adeste Fideles (アデステ・フィデレス) - 【 Dan Vasc を聴こう】

以前、キリスト教カトリックの日本人シスターから、興味深いお話を伺ったことがある。

まだドイツが東西に分断されていた冷戦時代、神父と一緒に東ドイツを訪問した際、古びた教会を見つけた。
中に入ると、そこには東ドイツ人の神父がいた。
2人は英語で話しかけたが、彼は理解できない様子。
彼のドイツ語も、こちらにはわからない。
困っていると、何と、神父2人はラテン語で会話し始めた。
私の記憶が正しければ、神父になるにはヘブライ語をはじめ7カ国語を習得しなければならず、ラテン語もその内の1つとのこと。
ラテン語での会話は弾み、感極まった神父達は抱き合った。
現代ではすでに死語となっている言語が目の前で飛び交う様子に感動しながら、会話の内容もわからぬまま、シスターも2人の抱擁に加わった。

軽妙な語り口でお人柄もすばらしいそのシスターは、現在、ある大学の学長に就任されている。


2022 年 12 月、Dan Vasc  (ダン・ヴァスク) は、今回のラテン語の賛美歌をメタルバージョンで豪快に歌った。

ギター演奏は、ダンの親友でバンド仲間の  Gabriel Belozi  (ガブリエル・ベロージ?) (#3・#7〜8へ) である。

2人が出会ったのは、メソジスト福音派教会の歌のグループ。

20 年以上経った今、共に好きなメタルのアレンジを加えた賛美歌で共演するのは、2人にとって特別な意味があるに違いない。


ところで、ブラジルで話されているポルトガル語は、ラテン語から派生した言語である。

日本人が『源氏物語』などの古語に触れたときのように、ダン達がラテン語を聞くと、古風だが何となく理解できるものなのだろうか。


ラテン語源の英単語は多く、歌詞の一部は私にも意味がわかるものの、全訳は到底無理である。

そこで、Ephraem Fukutaro Ikeda  (池田福太朗) 氏による、2020 年 12 月 27 日寄稿の note 記事内の和訳をお借りした。


Adeste fideles laeti triumphantes
(参加しなさい,信ずる者たちよ,嬉しい気分で,歓呼して)
Venite, veníte in Bethlehem
(来なさい,来なさい,ベツレヘムへ)
Natum videte Regem Angelorum
(生まれた天使たちの王を見なさい)
※ Veníte adoremus Dominum
  (来なさい,拝みましょう,主を)

En grege relicto, humiles ad cunas, vocati pastores approperant
(ほら,羊の群れを置いて,つつましいゆりかごへと,呼ばれた羊飼いたちが急いでいる) 
Et nos ovanti gradu festinemus
(私たちも歓呼の歩みを速めよう)

Gloria in excelsis Deo
(栄光あれ,(いと) 高きところにおいては神に)






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