見出し画像

ぶつかりおじさん、実在するよね

なんか穏やかな話題じゃなくてごめんなさいね。
最近Twitterで連日話題になってる、ぶつかりおじさん。
駅の構内やホームで特定の人物を目掛けてわざとぶつかりに行くおじさんのことらしい。

私は社会人になってから初めて東京の電車社会を経験して、それから4年くらいになるんだけど、
そのうちに2回だけ遭遇したことがある。

1回目は2020年の仕事終わりに最寄り駅のホームで、
向かいから来る男性が私の目の前で突然肘を出してきて頬を殴られた。

2回目は今年の3〜4月頃。
通勤ラッシュの電車に乗り込む時に後ろからタイアタックされ(正直、東京の満員電車は恐ろしいのでそれは意図的でなくてもよく起こる)、
相手が降りていく時にも離れた場所から私目掛けてぶつかっていき、電車を降りてからわざわざ振り返って立ち止まり、私を睨んでいた。

4年で2回なら少ない方?
だけど、確かに「ぶつかりおじさん」は存在するんだよね。

東京の電車は人が多いからやむなくぶつかってしまった、
ではなく、
被害者側に非があったから加害者側を怒らせてしまった(だとしても体アタックは良くないんだけど)、
ではなく、
本当にただターゲット目掛けてぶつかってくるおじさんが存在する。

私が今日話したかったことはぶつかりおじさんについてではない。

この一連の話題に対して、
「そんな人は一度も見たことがないから存在しない」
「普通に考えたらありえない、勘違いなんじゃないか」
「ぶつかられた側に非があるだけで、わざとぶつかる人なんていない」
という意見が上がっていること。

ふむふむ。

こういう意見は、どの話題でも絶対に一定数で上がる。

「痴漢?毎日電車乗ってるけど見たことないんだけど」
「うつ病なんて甘え、気持ちの問題だから病気じゃない」
「レイプ?ハニトラだったんじゃないの?」

うーん、なんだろうこのズレてる感じ。

いやね、被害者とされる人と加害者とされる人の双方に問題があったのかどうかについて議論されることは重要だと思うんですよ。
もちろん、被害者からしたら、ただでさえ傷ついてるのに不特定多数の匿名から疑われたりして不愉快になる気持ちはわかるんですけど。

そうではなく、
「そんなものは存在しない!」
と思い込んで自分の中で決めつけてしまい、さらにはそれを被害者や同じ被害の経験者や周囲にまで同調を求めるのは、
何故なんだろう…って。

考えられること、

一つ目、見たことがないから想像もつかない。
これはありそう。
特に東京とそれ以外では電車事情が全く異なるから、「想像すらつかない」という人がいてもおかしくない。
だが、「自分が見たことないんだから、そんなこと世の中では起きていない」という発想になってしまうことに疑問。

二つ目、信じたくない。
そういうことが世の中で起きているんだと薄々感じつつも、認めたくないし信じたくないから否定する。
その場合、どうして「認めたくない」「信じたくない」に繋がるのだろう。
この観点はもっと深掘りできそうですね、割愛しますが。

三つ目、日頃から女性や若者や弱者に対して嫌悪感や不満を抱えている。
事実があろうとなかろうと、前述のパーソンが被害者面してるのが気に食わない。
だから、そんな事実は無かったことにして、
相手を否定する材料に使う。

こんなあたり?

本人に聞かないと真相は闇の中。

ただね、私はこうはなりたくないな〜って思う。
歳を重ねるうちにどんどん、
自分が経験したことのみを真実として盲信してしまうようになっていくのかもしれないけれど、
そこは争っていきたい。

私は大学生の頃からずっと、生配信者の「コレコレ」の動画をよく見ている。
「暴露系YouTuber」なんて呼ばれ方もしていて、
「人の不幸でお金稼ぎしてる配信者」と「人の不幸を喜ぶ野次馬のリスナー」なんて言われたりするけれど、
そうじゃない。

自分では経験できないような被害や悩みについての一部始終を知ることで、
世の中の出来事に対して「私はそんなもの知らない、知らないんだから存在しない」と言ってしまうような人間にならないようにしている。

少なくとも、
同じ世の中でそういう事件が起きていて、それに悩んでる人がいて、それで傷つけられた人がいて、
加害者にも事情や言い分がある
…ということまでは知っておきたい。

確かに「在る」問題を、自分のエゴで「無い」ものにしてしまうことはとても危険で乱暴で、
もしかしたらいつか自分の身を守る術の学びまで放棄していることになるからだ。

全く話がまとまっていないけれど、
少なくとも、
「自分が経験していないことを存在しないものとして決めつけてしまう」ようにはならないようにしよう、と心がけているし、
そういう人が増えてくれたら、もっと素敵なのにな…と思う。

この情報社会、
知らないことがあるのは仕方がないこと。
知らなければ知ればいい、
初めて知った時に情報のアップデートをすればいい。

そんな風に思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?