真夜中の空中ブランコ乗り〈決定版〉|#詩のようなもの
昨晩は
咳により 体力を失っているせいか
食事が 進まないせいか
快復したかに見えて すぐ|目眩《め
まい》がし
なるべく ベッドで横になっていた
この10日間ほど
ほとんど 外へも出ていない
必要最低限だけ
家でも外でもマスク生活
喉がからからになるのと
感染予防のため
都会を離れた地方の小さなまち
誰とも会わない 川沿いの道の
ながい 長い散歩が
空気が 清々しい
海へと続く一本道の
見慣れた 道程が
恋しくて
仕方がない
空中ブランコ乗りのイメージが浮かぶ
―――ゆあーん ゆよーん
ゆやゆよん
中原中也がブランコ乗りに惹かれたの
も
きっと
誰かが自分の想いを
たしかに受け取ってくれる
―――それを
命綱無しで 感じたせい
なのだろう……
―――とうに夜半を過ぎて
とりとめのない
まとまりのない
ひとりごとの呟き…
✢Sting/The Ballad Of Mack the Knife
✢✢✢
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