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「超訳 世界恋愛詩集」〜三たび|#本の紹介


何度繰り返して読んでも、訳文の味わいに魅了される、


「超訳 世界恋愛詩集」。






著者で詩人の菅原敏氏は、前書きでこのように書いておられる。


ゲーテ、ニーチェ、シェイクスピアから李白、小野小町、在原業平まで。
国や時代も異なる彼らの書き残した、あまたの恋愛詩に触れるたび
「百年前、千年前でも、恋すれば私たちは何ひとつ変わらない」と教えてくれます。

はじめに〜超訳 世界恋愛詩集


そして、読み進めるほどに「確かに恋は変わらないかもしれない・・」と感じるのだ。


以下は、これまで拙記事で超訳を取り上げたものがすべて含まれている。ご高欄頂ければ幸いに思う。

↓ ↓ ↓




この本の紹介、3回めでは、超訳をなされた詩人・菅原敏氏の本領発揮と言えそうな一篇ーーー


『初恋』 島崎藤村


を取り上げてみたい。



初 恋






超訳では、【どきり】、【さくり】と言ったオノマトペが、「初恋」の詩にモダンなリズム感をもたらしている


また、第一連で


【そんな髪飾り うそだろ
いつもの君じゃないみたいだ】


と思い切って独白調に言い換えているのは、リアルな男心の瑞々しさを表出しているように感じる。




次の三、四連。


【溜息が君の髪を揺らしている】

【君がとても愛しくて 
ちいさな赤に やさしくふれる】


このあたりは原文以上にセンシュアル※で、菅原敏氏らしい細やかな感性が表れているのではないかと思う。



※センシュアル…五感を通じて得られる体験や、肉体的な感覚を強く意識する状況。ーWeblio辞書



原文を下に添える。是非、読み比べて頂ければと思う。





初恋 (原文)  島崎藤村 


まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛はなぐし
花ある君と思ひけり

やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅《うすくれなゐ》の秋の実に
人こひ初そめしはじめなり

わがこゝろなきためいきの
その髪の毛にかゝるとき
たのしき恋のさかづき
君が情けにみしかな

林檎畑のの下に
おのづからなる細道は
が踏みそめしかたみぞと
問ひたまふこそこひしけれ





BRILLIANT_Sも、島崎藤村で超訳を試みてみた😌🥀



知るや君






秋に飛びゆく鳥の 

心ともなく もれる声に宿る調べを

あなたはご存知?



深くとも澄む 朝の海の

水底みなそこにひっそりとねむる

真珠のかがやきを

あなたはご存知?



善悪の区別も付かぬほど

くらいくらい 闇夜に

かすかに動いて 

空にまたたく 星屑を

あなたはご存知?



まだ 弾いたことさえない

少女の胸にひそむ

ハープの音色・・・その音を

あなたはご存知?







知るや君

こゝろもあらぬ秋鳥あきどり
声にもれくる一ふしを
        知るや君

深くも澄める朝潮あさじほ
底にかくるゝ真珠しらたま
        知るや君

あやめもしらぬやみの夜に
静かにうごく星くづを
        知るや君

まだ弾きも見ぬをとめごの
胸にひそめる琴の
        知るや君



・・・元々、口語より文語Loverなので😌、しっくり来るまでいかないが、頑張ってみた🥀




お読み頂き有難うございました!!


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また、次の記事でお会いしましょう!



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