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一万円選書に当たったよ!めっちゃ嬉しい

あのいわた書店『一万円選書』に当選したよ!

  一万円分の本を買う。本を買うのが好きな人なら、一回は夢見る企画じゃないだろうか。欲しいと思っているハードカバーばかり選ぶと、あっという間に一万円になってしまったりするし。かと言って文庫本や新書じゃ選びきれない。
 それに、本屋で買うなら自分の趣味とちょっと違ってても面白そうなものに手を取りたい。だけど自分で探すのはちょっとかったるい。
 そこで、今までの読書遍歴をおさらいし、自分のお好みに近そうな本を選んでもらいましょう_一万円で。という本読みの我儘を叶える素敵なサービスがいわた書店の一万円選書である、理想過ぎませんか。
 新聞にも載ったし、テレビにも出たしでもう有名だよね。実際にいわた書店の店主である岩田徹さんの著書を読んで興味が湧き、応募してみた。
 その結果、ビギナーズラックなのか、まさかの当選となったのだ。


いわた書店から配達された本、右は比較用の文庫本

 実際に届いたのは下記の通り。開封してみると自分が選びそうで、今まで選ばなかった著者の本ばかりで唸った。特に佐藤亜紀の『黄金列車』は以前迷ってたので、ちょっと小躍りしてしまう。


届いた一万円選書!

『音楽は自由にする』坂本龍一
『さざなみの夜』木皿泉
『人質の朗読会』小川洋子
『虹いろ図書館のへびおとこ』櫻井とりお
『11/22/63』スティーブン・キング
『移動動物園』佐藤泰志
『ひそかに胸にやどる悔いあり』上原隆
『書店主フィクリーのものがたり』ガブリエル・ゼヴィン
『茗荷谷の猫』木内昇
『黄金列車』佐藤亜紀

 以上10点、合計12冊。Amazonから本が届くのとは全然感覚が違う。当たり前だけど、Amazonを利用したり、本屋で買う時はいつも自分が何を買うか知っている。
 これに対して、一万円選書だと自分が知らない本ばかりだからそれだけでもわくわくしちゃう。人に進めてもらった本て、わくわくする、あの感じに近いかも。趣味が合わないホンダって、進めてくれた人の考えを理解するヒントにもなるし。
 
 嬉しくて、岩田徹さんの『一万円選書』をざらっと見返してみる。鉄板ネタのこれね!とニヤニヤしたり、おおこれもお薦めしてるのね?と新たな発見あって、選ばれた本たちを前にニヤニヤする。
 選書カルテを書くのは結局、考え悩むのに3、4日、書き上げるのには1時間くらいかかったかな。質問の内容がそのまんま、自分の人生の振り返り作業なので妥当かもしれない。
 なかなかしんどい作業だけども、私こういう人間かってのもわかってやってみてよかったなぁと思う。でも、一番に難しかったのはやっぱり今までの人生で印象に残った20冊の本をあげよってところ。
 
 本を読むのが好きな人ならわかると思うけど、選べないんだよねー。最初の5冊くらいまではポンポンでるけど、あれこれ思い返して、あれもいいな、これもいいなって収まらない。
 今の20冊だから、あと5年くらいしてからもう一回選んだらまた違う結果になりそうだな。いやぁ、本当にものは試しとやってみてよかった。大事に一冊一冊読んでいきたいと思います!
 
 

印象に残った本20冊

 下記は選書カルテに書いた、今の自分が印象に残った20冊の本。

『タイムマシン』H・G・ウェルズ 
 本て面白いんだなって心底思わされた、SFっていうよりもホラーとしてすごくて読んでて、家鳴りにビビったのが懐かしい。あと、時間を説明するタイムトラベラーの下りが好きだった。

もう絶版だけど、思い出の一冊。めっちゃ怖かった

『吸血鬼ドラキュラ』ブラム・ストーカー
 ホラーというより、冒険活劇として楽しかった覚えがある。皆で力を合わせてドラキュラ倒すぞ!っていのが。挿絵がインパクトありすぎるのも好き。

ホラーというより、アクションものとして好きだった

『三銃士』アレクサンドル・デュマ
 もう説明不要に少年漫画の世界として好きだった。仲間といい女と冒険に次ぐ冒険。


ミレディの脱獄シーンなるほどぉと感心しました

『世界のたね』アイリック・ニュート
 ハードカバーの本で、親に買ってもらったのを覚えています。勉強はともかく、世の中は面白いもんなんだって思えた本だった。
 もっとも、内容は今からすると保守的で人には進めないかも。


『河童が覗いたヨーロッパ』妹尾河童
 とにかく俯瞰図がすごくて、面白くて何度も読んでは人におすすめし、あげたりで何回も買ってる一冊。

『あなたの人生の物語』テッド・チャン
 高校生のときに父方の祖母を尋ねてるときに買った本、平積みされててまずジャケットに一目惚れ。そして、バベルの塔から読み出してぶっ飛ばされました。未だに、面白い本をお薦めしてと言われたら、迷わずこれを上げている。


『時間旅行者のためのキャンディボックス』ケイト・マスカレナス
 ぶっちゃけ、タイムトラベルものって『タイムマシン』と『輪廻の蛇』以上のものはないという、狭い了見を見事ぶち破ってくれた一冊。この発想はなかったなぁ!

『悪童日記』アゴタ・クリストフ
 問答無用にすごかった。あんなに平易な文章なのに、生きているときに戦争に遭遇するってどういうことなのかを突きつけられる。未だに読み終わって、あのラストってええ?となった衝撃を覚えている。

『ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ』ジョン・ル・カレ
 決して軽快に読める本でもないのに、つい読み返しちゃう。そんな一冊、いぶし銀の魅力とでも言いますかね。映画版も好き。

『灯台へ』ヴァージニア・ウルフ
 未だに、何年かに一回は読み返す。やっぱウルフの傑作と言えばこれしかない!という一冊。読み終わると、小説なのに肖像画を目の前にしてる気分になる。言葉にできない素晴らしさ

『短編画廊』ローレンス・ブロック編
 エドワード・ホッパーの絵に寄せて編まれた短編集。まずコンセプトが面白いし、加えて知らなかった作家にたくさん出会えてよかった。ぜひハードカバーで手にとって欲しい。

『キュリアス・マインド』
 図書館で借りてデカぁ!となった本、確か三浦しをんのエッセイで知ったんだけど、読んだら面白くて。人間の好奇心てすごいなって。

『フェルマーの最終定理』サイモン・シン
 これもきっかけは三浦しをんのエッセイだったかな。とにかく読み出すと面白くて面白くて。これを中学時代に読んでれば、もっと数学をちゃんと勉強したかもしれないのに。

『清少納言を求めて、フィンランドから京都へ』ミア・カンキマキ
 人生で初めて作者にファンレターを送った本、いやぁだって共感しかないんだもん。人生に疲れて、好きなことやろう!で清少納言研究するなんて。
 ぜひ今からでも遅くない!ドラマ化して欲しい。

『パレオマニア』池澤夏樹
 シンプルにこんなゆったりした旅行してみたい。憧れる、あと池澤夏樹の文体がゆったり目で読むと鎮静作用がある気もする。読むと落ち着きます。

『バッタを倒しにアフリカへ』
 問答無用の面白さ、家族全員で回し読みした珍しい一冊。表紙があれなので最初どうだろうと思ったけど、読み終わるとまんまと作者に踊らされてるのに気がつく。

『シモネッタ&ガセネッタ』米原万里
 タイトルのその直球なネタぶりが学生時代異様にツボった。語学の面白さと、米原万里という人の視点の鋭さが面白くて一時期この人の本ばかり読んでいた。タイトルにあるシモネッタことイタリア語通訳の田丸久美子氏の本も面白かった。

『池澤夏樹個人編纂 日本文学全集 須賀敦子』須賀敦子
 須賀敦子の今どきにはないリズムっていいなぁーとひたすらうっとりしながら読んだ。

『獄中記』佐藤優
 日本の官僚ってこんなすごい人もいるんだぁってびっくりした一冊。神学を軸に物事を整理していく様がすごくて。

『テヘランでロリータを読む』アーザル・ナフィーシー
 この本を読んだがために、私はウラジミール・ナボコフの『ロリータ』を読んだ。他にもウルフや海外文学の言及と、イラン革命の鬱屈な日々が淡々と語られ息がつまる。
 それでも読んでよかったと思える貴重な一冊、昔挫折して再読したら読めたのも思い出。


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