今日の読書5/20
今日読んだのは「あなたの涙は蜜の味」イヤミス傑作選のアンソロジーです。
辻村深月さん、宇佐美まことさん、篠田節子さん、王谷晶、降田天さん、乃南アサさん、宮部みゆきさん、何とも豪華なラインナップ!
どの女流作家さんも大好きです。
イヤミスは大好物です。
非日常なのですが、もしかしたらそんなことが起こるかも…ドキドキしながら読んで、最後は今の自分の日常にそんなことが起こっていないことにホッとしたりします。
まさにあなたの涙は蜜の味ですね。
わたしはワイドショーはあまり興味がありません。
もっと正直に言うと、誰かのゴシップでわくわくしちゃう自分が好きではありません。
人様の人生にあーだこーだ言うのは野暮だと思ってます。
その裏には、だからわたしの人生にもあーだこーだ言ってほしくない!という思いがあるのですが。
だから、想像力の世界に刺激を求めているのだと思います。
できたら誰かを傷つけないで、わくわくする生活をおくりたいです。
少し話題が感想から離れてしまいました。
今回の話でわたしが一番わくわくしたのは、宇佐美まことさんの「福の神」でした。
ある平凡な家族。平凡に家族みんなが日常に不満や悩みを感じながら生きています。
娘はピアノを頑張っているのに、どうしても優勝できない。
父は事業をしているが、新しいライバル会社の参入で、仕事が減ってイライラしている。
祖母はあるナイスミドルに老いらくの恋をしときめいているが、そのナイスミドルが愛妻家で…
そんな平凡な一家ですが、少しずつその家族の悩みが解消されていきます。
母はその理由に気がついてしまうのですが…
読み終えた後に、家族のその先を想像するとぞっとしてしまいました。
最近読んですっかりファンになった、王谷晶さんの「北口の女」も素敵でした。
大麻所持で事務所を解雇になり引き籠もりになった演歌歌手の磐梯山ミヤコ。付き人あきは彼女の側にずっといます。甘じょっぱいにおいのする、都会でも田舎でもないごちゃごちゃした街です。彼女はそこで、お弁当屋さんで働いています。一番人気は280円の海苔弁で、客は昼間から発泡酒片手に海苔弁を買っていきます。そんな街です。
この街の説明が本当に大好きです。どんな街なのか、彼女がどんな人物か、彼女がこの街にどんな思いを抱いているのか、それらが見事に伝わってきます。
そんなあきが、あるカラオケボックスで聴いた歌声は…
お話しはとてもシンプルですが、王谷さんの書く文章がとてつもなく凄みと悲しみを感じさせてくれました。
他の作品もハズレなしの、アンソロジーでした。
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