信じる者は救われる という言葉と 信じる者が馬鹿を見る という言葉 たぶん どっちとも本当なのだろう きっと 真ん中へんを狙えばいい だけど 真ん中へんと中途半端を はき違える者は この世の中では 小便小僧の的に されてしまうことだろうよ
ズタズタに傷ついて 苦しくて 悲しくて 死にたくなっても それと同じく人を傷つけないで それなら 苦しく悲しく死にたい 苦悩に 爪を立てて 死ぬほど強く 引っ掻いてやればいい その爪痕が これからの君の人生の 五線紙になるはずだから そこからの君の奏でる人生に 人々は いや観衆は 拍手 喝采を送るだろう
冬は僕を傷つける 風雪にひゃあひゃあ泣き縋れば 無様な過去が疼きだし 粉薬が降り積もる ちっ 心から冬が嫌いだけど 今日は不思議と この冷えた窓から冬に想う ああ 凍死寸前まで躰を冷やし寝 朝 焼きたての愛を齧れば 雪に輝けるかな なんて ただ黒紙に ひたすら書き殴るだけの なんだかダサくて なんだか傷む冬
どうして彼は僕をいじめたの? 泣くな 少年 それは君が心のトイレを持っているからだ 君のトイレが居心地がよくて 糞も流さず 口笛吹いて出ていくのだ 君が悪いのではない 彼は心にトイレを持っていないのだ つまり君のほうが豊かなのだ 彼の糞は一旦水に流して 洗剤かけてブラシで磨こう 公衆便所みたいに 匂いが手遅れになる前に そして 清掃中 だと 札をハッキリと下げて そうしたら 仕上げに 最後は水に流しましょう 綺麗にしているね って 必ず 誰
やる気の無い人間が 他人に やる気なんて与えられない 希望の無い人間が 他人に 希望なんて与えられない 芯の切れたシャープペンで どれだけ立派なことを書いても 誰も読めやしない その人が気づいていないのなら 気づいた人から進んで 芯を交換してください そうしたら 私にそのペンで 渾身のライトバースを書かせてください
目覚めれば 僕の中に君が 棲み始め 君の中に僕が 棲み始めた 互いの影の中で 互いが息を潜めている 影絵の中で くちづけを交わし 暗闇の中で 一つになって そんなものか そんなものよ 僕の中で君はいつも 君の中で僕はいつも
手紙を書こう 誰にも送れないけど 手紙を書こう 想いを寄せるあの娘へ 唾を吐いた旧友へ 与えてくれた両親へ 未だ見ぬ我が子へ どの文章にも謝罪が入ってたりする ペン蛸は懺悔の形 もうプライドも スタイルも ズタズタだから もう痛いところはすべて 救急車に載せて送ります ピープル ピープル 送らせてください
たった一枚の 紙切れのために 今日も皆 頭を抱えている たった一枚の 紙切れのために 汗水流して皆 頑張っている たった一枚の 紙切れのために 東で西で犯罪が起きている 不思議なことに 誰もがたった一枚の 紙切れを引き破りやしない 僕は今日も颯爽と たった一枚のA4用紙を シュレッダーにかける
損失とは 失うお金だけではないということを 利益とは 得られるお金だけではないということを お金に失望していた僕に 教えてくれたのは ある晩に涙して食べた 母が握ってくれたおにぎりでした お母さん ご飯の後に見せたい詩があるんだ だから早めの いただきます そしてゆっくり噛んで ごちそうさま
きっと あの人にも事情があるのさ きっと お天道様にも事情があるのさ きっと あの人にも泣きたい時があるのさ きっと お天道様にも泣きたい時があるのさ 必ず誤解は晴れるもの 必ず青空に晴れるもの
どうしようもなく 欠けた僕の 記憶のワンピース 時は流れ 今 パズルを埋めるのは どうしようもなく 浜辺ではしゃぐ ワンピースの彼女 これでいいや 僕は 時間旅行への切符を 破り捨て 今日 彼女と 旅行に出掛ける
闇に落ちても 突き落とされても そこから光が見えたなら 諦めることはない お前には見えている それは事実なんだ その光を浴びるんだ 諦めないでくれ 諦めないでくれ 諦めないでくれ あまりにも勿体ないだろう 現に羨望し見つめるその光に ほら お前の眼だって輝いているではないか
健やかに眠れ 両親の想いを乗せて たくさんの夢を見てきた 大志を抱け 両親の想いを乗せて たくさんの夢を抱いてきた きっと枕を抱く夢でも きっと想いを抱く夢でも どちらでもいいんだ ただ夢を無くしては 生きていけない ならばいい夢を見ることだ お父さんがソファーで いびきかいて寝ている どんな夢を見ているのだろうか
形あるものは やがて崩れてしまう お気に入りのジーンズも グリースでキメた髪型も アイスクリームも やがて崩れてしまう だけど 形ないものは 崩れない 愛する心 信じる力 敬う気持ち 記憶に至るまで 崩れるにも 崩れようがないんだ 脆いようで最硬のこの心
君はその痛々しい翼に 乗れよ と言う 僕は正直言うと その翼には乗りたくはない だって鳥は抱いたり背負ったりでは 飛べないもの 僕はただ 大空を雄々しく舞う君を指さして あ 鳥だ と言いたいだけだよ 車庫から駆け足 両手いっぱいの餌を握りしめて
変人の詩を この世に蒔いたら 何が咲くだろう 答えは 聡明な学者たちが いくら研究しても わからないだろう そんな詩を書きたいんだ ただし 一応は咲くように