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またいつかどこかで
「次の空へ」の記事に記したように、3月末での退職を決めた私に対して、3月20日の祝日に、他県の関連施設へ異動になる方と併せて、所属部署で送別会が行われました。
退職する私1人のためだったら辞退しようかと思っていましたが、併せてとなると余計な発言は控えるべきであり、ありがたく参加しました。
育児休業中の同僚、そして同じく育児休業中の前任者である同僚も、連絡を受けて参加してくれました。
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雰囲気のいいフレンチのカフェでランチをいただきました。料理もデザートも飲み物も、とても美味しかったです。
食事が一段落すると、送別の言葉と共に餞別の品を贈られました。
私が贈られたのは、業務の中で利用者の方々と一緒に創作した壁絵の、デジタルデータを基に作られたオリジナルTシャツでした。
世界に1枚しかない貴重な物だと思うと、ありがたさもひとしおであり、大変思い出深い品となりそうです。
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一緒に贈られたお餞別金は、既定の額×人数分とは思われますが、帰宅後確認しかなりの金額に驚きました。他県に転居をする方と同額だと思うと、少し申し訳なく恐縮する気持ちです。
ランチ会はお開きとなり、数人は帰ることになりました。別れの際に、育休中の前任者である同僚からお別れのハグをされたのには、少し驚きました。
何せ私は親からハグをされた記憶さえない人生を送って来ていることもあり、唯一ハグを行う相手であるパートナーにも人前では行わないくらいです。
そのため、いくら別れの場面とは言え、1ヶ月間のみ仕事を共にした間柄である同僚からハグをされるとは思ってもいなかったのです。
きっと前任者の同僚の家庭には愛が満ち溢れていて、毎日当たり前のようにたくさんのハグが行われているのだろうな、と思い、微笑ましい気持ちになりました。
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店からの階段を降りた路地の奥に見えるのは熊本城です。
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その後デパートに行き、少しずつばらけ、半分ぐらいの人数で開催中の「大マイセン展」を見に行きました。
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磁器で有名なマイセンですが、多方面に芸術作品の制作へも注力されていて、色々目の保養になりました。
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展示即売会でもあり、値札には物凄い金額が記されていましたが、それも含めてあれやこれやと話しながら眺めて回るのは楽しかったです。
帰宅して以降、勤務最終日である3月29日に向けて、私は送別会に参加してくれた同僚1人1人に、お礼状を作りました。
ワードソフトにてお礼の文章を入力し、それぞれに関連のある画像をフリー画像サイトからダウンロードして貼り付け、装飾を施して印刷し、お礼の品であるデザイン付箋と共に封入しました。元々お礼の品として用意していたお菓子もあります。
かつて2021年に前々職を退職した際には、「【短歌エッセイ】留まらざる風のごとく」にて、「わざわざ不要な爪痕を残したくはない。通り過ぎる風のように、さらりと忘れ去られる方が、私には気が楽でいいのだ。」と述べていました。
記事中別れの品について、「消えてなくなるような物をあえて選んだ。できるだけ爪痕は残さない。風のように通り過ぎたいのだ。」と記していることと比べ、わざわざお礼状を作って渡そうとするとは、随分な変わり様です。
でもそんなふうに、別れに対しての心境が変わるくらい、この職場では同僚に恵まれ助けられ愛されたということで、感謝を形として残して行きたい気持ちになったのだと思います。
最終日の3月29日には、私が担当している場所の利用者の方に、今日で退職することを理由も含めてお話しました。
それを聞いて泣き出す方もおられ、午後からの業務の終わりには、手紙や私の助手の方と共に創作した造花の花束を下さる方もいて、自身が広く愛されていたことを感じて、ありがたい気持ちになりました。
上着を脱いで、送別会で贈られたTシャツを私が見せると、利用者の方々から拍手が湧き起りました。共に過ごした思い出を携えて去ることを伝えられ、良かったと思っています。
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施設内のあちこちに挨拶をして回り部署に戻った私は、部署での最後の仕事を終えると、部署の同僚1人1人に、用意していたお礼状とお礼の品を渡しました。それぞれ、別れを惜しみながら受け取ってもらえました。
異動の方とは、互いに交換するように渡して受け取りました。
そして部署の同僚他の方々からということで、寄せ書きをいただきました。
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たくさんのメッセージと写真とイラストで埋められた寄せ書きに、私への温かい思いが溢れているように感じて、とても嬉しくなりました。
上着を脱いで送別会で贈られたTシャツを見せると、歓声と共に同僚らからも拍手が湧き起りました。去る前に、実際に着ている姿を見せられてよかったです。
あらためて、周囲の人に恵まれたこの1年2ヶ月間でした。
人生は一期一会です。
退職する私は、今後この同僚らと会うことはないかもしれない、とさえ思っていたのですが、ハグをしてくれた前任者の同僚を含め色々な方から、「またいつかどこかで」と言われたのです。
もう会うことはないかもしれません。街中で偶然すれ違うことさえ、可能性は高くはないでしょう。
それでも、現実に会うことがあるかどうかはさて置き、またいつかどこかで会えたらいいなと思っている、という気持ちを伝えることは、きっと間違いではないのだと思います。
例え生きている間に会えなくても、死後の世界において再会できるかもしれませんしね。
そういうわけで、私もこれからは意識して言ってみようかなと思っています。
「またいつかどこかで」と。
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