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小説『縄文旋風』 第1話~第10話

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『縄文旋風』の1話から順に、10話まで。
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2023年2月の記事一覧

縄文旋風 第1話 シロクンヌ登場

本文 森の中を進むと、樹の枝に布が結ばれていた。近くに落とし穴がある印だ。シロクンヌ(28…

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縄文旋風 第2話 ウルシ村ルーティン

本文 ウルシ村を、村の入口に立ち、見たとする。 するとまず広場があり、その両脇に数軒のム…

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縄文旋風 第3話 旗塔

1 シロクンヌはムマヂカリと二人、旗塔のそばにいた。 村の入口に立つと旗塔が思いのほか高…

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縄文旋風 第4話 ヌリホツマ

「シロクンヌ、その袋に縛ってあるの、それはヤスか?」 シロクンヌの大きな背負い袋からは留…

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縄文旋風 第5話 ハニサ

「ならぬぞえ。」 ヌリホツマの、低い声が響き渡った。 ⦅今、おれに言ったのか?心の中まで…

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縄文旋風 第6話 鹿肉のうたげ

本文 「バタバタ走るんじゃないよ!ホコリが立つだろう。肉が砂まみれになるよ!」 子供達は…

縄文旋風 第7話 月透かし

「おいおいチビ達、もっと離れてくれ。袋が開けられないぞ。こら、覗き込もうとするな。」 興奮気味の子供達が、足にしがみついたりして手に負えない。そうだ、こんな時にはとシロクンヌは閃いた。 「言う事聞けん子は、オオヤマネコが樹の上のジョロ場に咥えていくぞ。」 一瞬キョトンとした子供達が、次の瞬間、大爆笑だ。 「シロクンヌ、ジョロ場ではない。ジョリ場だ。」 ムマヂカリが笑って言う。 「シロクンヌ、ここを使いなよ。」 タマが、臨時の調理台にムシロを掛けた。物を置くには丁度いい。 「す