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最近、虫たちはよく嫌われる。スズメバチ、クモ、ゴキブリ…。好かれている虫は、カブトムシ…
バッタのヨモギさんは、久しぶりに酸素マスクを外した。 「ねぇ、私なんてもう寝たきりなんだ…
ギンヤンマの羽田は、葉の上に止まって生まれ育った故郷を眺めていた。 まだ、妻の藻奈は帰っ…
ムクドリの鳥居さんは、雨降る中、一つの重大なことに悩んでいた。 誰かに公言したら、私は皆…
川に足を浸してこう思った。 「どんなに静かなやつでも、皆、群れるとうるさくなる」 ハシビ…
朝、街中で叫んだ。 朝、踊りながらも、走りながらも。 太陽を見ると思わず、コケコッコーと…
セミの周太郎は心から浮き足立っていた。 「明日になれば、大人になれるんだ」 成人式も済んだし、着々と大人になるということが現実味を増していた。 「おい、周太郎!」 話してきたのは、同じく明日大人を迎える陽二郎だった。 「どうしたんだ!そんな慌てて。お前あれだろ、羽化の心配だろ」 羽化はセミ学校の義務教育の最終問題であった。 基本的に座学で、羽化のしかたを学ぶ。 「いや、それならギリギリ通ってるさ。実は、俺ら後一週間で死ぬかもしれないんだ」 周太郎は嘲笑った
腐った木に座ってカマを振り上げた。アリが行列をなしてやってくる。ハエが飛び交う。岩の…
パチパチと音がするなかで一人の年配のおじさんが出てきた。 「どーも。スッポンの“年の功”…
日差しがギンギンと照りつける水面に、白鯨が背中を打ち付けた。 イワシの群れは、自分が…