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『双極性障害』の認知は広がらない方がいいのかもしれない 〜双極性障害の頭の中 58

みなさん、こんにちは。
双極性障害2型(双極症)のフツーの会社員、パピヨンです。

何度かnoteに書きましたが、5月にヨーロッパ某国に海外出張に行って来ました。
双極性障害を抱えながら“会社員として働くということ”“双極性障害という病気の認知”について、改めて考えるキッカケになったので記してみたいと思います。



◾️障害者雇用の私に海外出張のチャンスが与えられる理由(建前)

私は今の会社に20年勤務していますが、障害者手帳を取得したことから昨年『障害者雇用』いわゆるオープン就労に変更しました。

精神科通院歴は10年ですが、昨年クローズ就労からオープン就労に切り替えるかどうかはかなり悩みました。

昇進が無くなるのではないか?

と考えたからです。
“野心家”と思われるかもしれません。
しかし私の考えとしては、精神疾患者であろうとも、働く以上“上を目指したい”というのが正直な気持ちです。

この点をクリアにしたかったので、正直に会社に聞いてみることにしました。
今考えるとかなりリスキーな質問をしたものだと自分でも思いますが、会社の回答としては『障害者雇用と昇進は関係無い』というものでした。↓↓


今回の海外出張も、実際上司から勧められ「行ってみるか?」と打診されました。
病気になる前は頻繁に海外出張に行っていたとは言え、障害者雇用でありながら海外出張のチャンスが与えられるなんて、正直思ってもいなかったのでとても嬉しかったです。

会社としては昨今話題になる『差別』と捉えられることを懸念しての対応かも知れません。
しかしながら、実際にオープン就労している身としてはありがたいことです。


◾️障害者雇用の私に海外出張のチャンスが与えられる理由(本音)

どうして障害者雇用の私に海外出張のチャンスが与えられるのか?
その理由の本質としては、

『みんな、双極性障害がどんな病気か知らないから』

もう、これに尽きると思います。
悲しいような、ありがたいような(?)複雑な心境ですが、これが真理だと思います。

以前主治医に「どうやって双極性障害を周りに説明すればいいのかわからない」と相談したところ、

「無理だと思いますよ。理解するのは難しいです」

と、あっさり“無理”と言われました。
その時はグサっとショックを受けましたが、診断されてから2年、本当にこの病気を説明するのは難しいと痛感します。


◾️ちょっと元気なうつ病?

家族含め、どうやら周囲の人たちは、『双極性障害』のことを“ちょっと元気なうつ病みたいなもの”と思っているようです。

私は軽躁状態がほとんど無い2型なので、「たまに気分屋なヤツ」程度の認識みたいです。

確かに、ぱっと見、普段の私は病気に見えないのでしょう。
親でさえ、診断書や動画など色々見せても、病気になる前の私と何が違うのか分かっていないようです。
実態としては色々な薬を飲んで“フツー”を装っているのですが、どうやら戦略としては『うまくいっている』と言えるのだと思います。

うつ病で苦しんでおられる方には不快に感じられるかもしれません。ごめんなさい。
しかし実際周囲の認識としては『双極性障害は軽いうつ病みたいなもの』という感じです。

「ちょっと違うんだけどなぁ〜」とは思いますが、じゃあどう違うのだ?という点が短いワードでシンプルに説明できないんですよね。私の語彙力不足でしょうか。


◾️もしも『双極性障害』の認知が広がってしまったら?

消極的と思われるかも知れませんが、私は『双極性障害』という病気を知ってもらおうという想いは、かなり以前に捨てました。

noteを始めたのも、あくまで自分用の記録であって、決して『双極性障害の認知を広めたい』というような名目で書いている訳ではありません。(まずもって正常な人は精神疾患の人の記事など読まないだろうし)

以前はどうにか言葉を尽くして説明しようと躍起になってみたり、みんなにYouTubeの解説動画を送りつけたりしていた時期もありました。

しかし、反応としては「よくわからない」でした。
確かに「よくわからない病気」です。

今はもう、「よくわからない病気。ちょっと元気なうつ病みたいなヤツ」という認識で良いと思っています。

いやむしろ逆に、“双極性障害についてそれ以上知られたく無い”というのが本音かも知れません。

もしも、双極性障害について広く認知されてしまったら。

「いつキレるかわからない」
「いつウツで寝込むかわからない」
  ↓
「いつ周囲に迷惑がかかるか得体が知れない」

病気について正しく認知が広がればいいですが、大概は良くない方向に広がるものです。
昇進の機会も、海外出張のチャンスも与えられなかったかも知れません。

私はオープン就労ではありますが、会社の上司と総務部長にしか、障害者手帳を持っていることを開示していません。
精神科クリニックにずっと通っていることだけ、みんな知っています。
会社員として“フツー”に働くために、やはり心のどこかで“本当のこと”は知られたくないのかも知れません。
できれば一緒に働いている仲間には自分が精神疾患者であることを忘れてくれるくらいだとありがたい。

だから、バンバン仕事を頼んでくれると大変ながらも嬉しいのです。
「私が病気なの、忘れてるよね?」

前向きなのか、後ろ向きなのか。
自分でもよくわかりませんが(笑)
今のところ私の考えとしては、『双極性障害』は“謎”のままでいいと思っています。

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