見出し画像

寛解状態でも精神障害者手帳は更新できるのか? 〜双極性障害の頭の中 75

みなさん、こんにちは。
双極性障害2型(双極症)のフツーの会社員、パピヨンです。

来年の3月で障害者手帳の期限が切れるので、不安に思っていたことを主治医に相談してきました。記録として残します。




◾️あっという間に2年が経ちました

私は双極性障害の診断を受け、一昨年初めて『精神障害者保健福祉手帳3級』を取得しました。
手帳の有効期間は2年間です。
私の場合、来年の3月で期限が切れます。

正直なところ、3級の福祉メリットはあまりありません。
結局2年間のうち公に手帳を使ったのは、バスのフリーパスを1回、年末調整で受けられる住民税・所得税の控除2回の合計3回でした。
美術館や映画館では使いませんでした。


◾️それでも『障害者手帳』を更新したいワケ

私はできれば引き続き障害者手帳を更新して持ち続けたいと考えています。

理由は2つです。

まず、会社に堂々と【合理的配慮】を求められるという点です。
具体的には、①通勤ラッシュを避けるため朝30分出勤時間を遅くするフレックスを許可してもらっていること、②全社朝礼をリアル参加では無くzoomにしてもらっていること、③帰宅が遅くなる会社の施錠当番を免除してもらっていることなどです。

理由の2つ目は、【自分が双極性障害であることの“印”】が目に見える形で欲しいからです。
今でも調子が良くなってくると、「ひょっとして誤診なのではないか?」「自分は本当に双極性障害なのか?」という疑問が湧いてきてしまい、薬を飲む行為に懐疑的になることがあります。
これにストッパーをかけてくれるのが『手帳』の存在です。
『手帳』を見ることで「あぁ、私は間違い無く病気なのだ。ちゃんと薬を飲み続けなければいけないのだ」という病識を取り戻すことができるのです。

この2つの理由から、私は「出来れば手帳を更新したいな」と考えています。


◾️寛解状態でも障害者手帳は更新できるのか?

そこで疑問が湧きました。
私の病状は現在、かなり落ち着いています。

ラツーダを処方されて以来、私の“波”は圧倒的に小さくなっていきました。(副作用には苦戦中ですが…)
“波”が落ち着いたおかげで、主治医の言葉が脳みそに届くようになり、強い不安に対しても精神療法(主に森田療法の考え方を指導されています)が進んだ気がします。

まだまだ小さな“波”はありますが、ここ数ヶ月で見れば寛解状態に近いと思います。

『寛解状態でも障害者手帳は更新できるのだろうか?』
ここまで良くなったら、もう手帳は持てないと言われたらどうしよう?

不安になってきたので、主治医に相談してみることにしました。


◾️治療の『継続』の重要性

今週の診察時、主治医に、

「来年の3月に手帳の期限が切れるのですが、今の私くらい症状が落ち着いていても更新はできるのでしょうか?」

と聞いてみました。
すると即答で、

「できますよ」

と言われました。

「手帳は2年間の大きなくくりで病気の状態を見ているんです。最近は確かに落ち着いていますが、2年のタームで見ればまだまだ“波”はあります。1番大切なのは、治療の『継続』です」

なるほど。
2年間で見てどうなのか?ということ。

私は主治医に、

「正直なところ、手帳を使う機会はほぼ無いのですが、会社に【合理的配慮】を求めやすい気がして」

と伝えると、

「本来は手帳が無くても【合理的配慮】は求められなきゃダメなんですけどね。でも、手帳があった方が【合理的配慮】を求めやすいのが現実ですよね。よく分かります」

と、納得してもらえました。

「あと、自分が双極性障害であることの“印”が欲しいんです。目に見える形で。どうしても調子が良くなると本当に病気なのか?疑問が湧いてしまって…」

主治医は笑って頷いていました。

「みなさん、良くなると通院やめちゃうんです。で、鬱に落ちると帰ってくるんですよ(笑)」

“双極性障害あるある”のようです。
私の『目に見える病気の印が欲しい』という考え方にも同意してもらえました。

これで安心して更新用の診断書を書いてもらえることになりました。




双極性障害は、元気な時、落ち着いている時は、まったく病気に見えません。(たぶん)
周囲に理解してもらうことはもう無理だと諦めています。
一番厄介なのは、本人も自分が病気であることを忘れてしまうことです。
治療を中断してしまって、“大波”が来てからでは手遅れ。

『障害者手帳』の存在は双極性障害にとって、外側に対しても内側に対しても、大切な“印”だと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?