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その9 トラくん危機(とりあえず)脱出

これまでのお話
その8 トラくん危機一髪

(約1000字)平成11年2月14日(K生後約4か月半)

里親探し

トラくんを早急に何とかしなければならなくなった私たちは、結果を聞いた2月9日の帰り道、近所の公園で対策を考えた。
(家で話し合わなかったのは、話の内容が、トラくんに聞かれてしまうのを惧れてのこと。ペットを飼ったことのある方なら納得してもらえると思うが、ペットは飼い主の言葉を相当よく理解している。自分のこととなれば、なおさらだ。)

「外で飼おうか・・・」
「あのバカ、すぐにどこかへ行っちゃうよ。帰って来られないよ。」
「この寒い中、耐えられるわけないか。」
没・・・

考えはすぐに尽き、里親を探すしかないということになった。
(当時、現在のように保護センターのようなものがあったかどうかわからない。少なくとも私たちには、その知恵はなかった。)
公園のベンチに座ったまま、涙が出た。

父ちゃんが休みで動けるのは、2月11日だけなので、今日明日中にもらい手を見つけたい。

家に帰って、早速、電話をかけた。
私の友達、みんなダメ。
父ちゃんの知り合い、みんなダメ。
学校のネコ好きの先生、ダメ。
・・・

ババは当然ダメ。
私とKなら預かってもいいと言った。

もらってくれそうな人を当たってくれる、という人もいたが、いつになるかはわからない。

里親が見つからなかった10日の夜、私たちは、決心した。


トラくん危機(とりあえず)脱出・・・

「よし。1階で飼おう。」
1階の部屋に出入りするのは、父ちゃんに限定。
そして、出入りするたびに服を着替える。
トラくんをずっと一人にしておいたら、ノイローゼになってしまう。
夜は、父ちゃんが一緒に寝てあげることになった。

隔離病棟のようだが仕方がない。

11日に引っ越しをした。
ホットカーペットを運び、こたつを作り、お気に入りの爪とぎも、大好きなおもちゃも皆運び、トラ様のお部屋は出来上がった。

おふとんもたっぷりあるし、昼間は陽が当たるし、とても居心地がよさそうな部屋が出来上がった。
ムートンの敷物まである!

その夜、父ちゃんが寝に行ったら、ゲロを三か所にまき散らし、普段絶対にトイレでしかしないウンチを、無理やり二か所にして、抗議していた。
が、次の日には、慣れ(諦め?)、おとなしくなった。

でも、私が玄関に立つと、ガラスのところからこちらをのぞいて、
「ニャー」
と悲し気に泣く。
その姿を見るたびに、胸が痛む。

トラくんが元気なうちに、Kに抵抗力がついて、また皆で生活できる日が来ることを願っている。

つづく=^_^=

というわけで、一応危機は脱出しました。
この時は、まだ、ずっとダメということを知らなかったんですね。
トラくんのお話の続きは、だいぶ先になります。
文中のカッコは、今回付け足したものです。

さーて次回のお話は・・・

『食べられないものが、たくさん!!』です=^_^=

使用している区切り線は、すべて「いつき@暮らしが趣味」さんの賑やかし帯です😻

長男Kがアトピー性皮膚炎とわかってから、2か月ほど経った頃。
この怒涛のような日々を振り返る余裕が出てきたところで、新聞にまとめてみようと思い立ちました。
この頃は大変だったけど、今振り返ると、よい思い出です。

原文は、手書きで書きなぐっているので、noteで発信するに当たり、表現等付け足したり直したりしています。
今回の原文は、こんな感じ↓↓↓

#育児日記
#子どもに教えられたこと
#アトピー
#アトピーの記
#ネコヒセツ
#ネコへの贖罪
#私の作品紹介

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