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たかが豚肉、されど豚肉。~ドバイの豚肉事情~

その昔、中東の雄・サウジアラビアの関連企業で働いていたことがある。仕事を通して垣間見たサウジアラビアは、ただただ「イスラム教の教えに厳格な国」だった。

当然ながら酒と豚肉はなく、出張の手土産に酒を持ち込むことも許されない。外出時は許可なく写真を撮ってはいけないし、女性は観光客であっても髪や肌を隠すことが求められた。

いつしか、中東の国はどこも同じように不自由なのだろう、と思うようになっていた。


びっくり!ドバイとサウジの違い

夫がサウジアラビアの隣国・アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに単身赴任することになった。

サウジほどではないにせよ、UAEも同じ中東、何かと不便なのだろうと思ったが、それは全くの危惧だった。

アラブ首長国連邦は、サウジアラビアと同じイスラム教の国だが、信仰する派閥が違うため、はるかに自由だった。

探せば酒も豚肉も手に入る。服装の制限も一切なく、至って快適。真夏の気温が40-50度になる以外は、日本と何ら変わらないと知り、驚いた。

ドバイでの食材の調達事情は?

ところで、毎日の食事というのは生きる上で大切なのだが、食べたいものが食べられないというのは、時に精神的ストレスになりかねない。料理ができても、材料が揃わなければ思うように自炊もできず、不便さが残る。

ドバイには、日系や中華系のスーパーがあり、そこまで行けば大抵の食材は揃う。しかし宿舎からは遠く、たまにしか行けない。普段の買い物は地元Al Manzarで済ませるしかないのだが、近所にあるフィリピン系のスーパー、ウエストゾーン(Westzone)には助けられた。ここなら、豆腐やもやしが手に入るだけでなく、なんと豚肉も売られているからだ。

ありがたや⁉ フィリピン系スーパー

店内の片隅に「Pork-Not for muslim」と書かれ、カーテンで仕切られた豚肉部屋がある。

フィリピン系スーパーマーケットの豚肉売場

部屋の中に置かれた冷凍ケースには、バラやスペアリブの塊肉が並んでいる。振り返って壁側のケースを見ると、「豚の尻尾」、「豚の腸」、「豚の脂肪」、「豚の耳」、「豚のレバー」、「豚の血」と書かれてある。フィリピンでは普通の食材なのだろうが、日本人には馴染みがなく、目を疑うような表示に尻込みしてしまった。

左から、豚の「尻尾」、「腸」、「脂肪」、「耳」、「レバー」、「血」が並ぶ

どうする?臭い豚肉

意気揚々と豚肉を購入したものの、いざ調理してみると、臭い。でき立てなら気にならなかったが、冷めると眉をしかめるほどで、悲しかった。

そこから試行錯誤を繰り返し、丁寧に下茹でをして臭みを消していった。手間はかかったが、角煮もBBQも上手くできた。薄くスライスして、ラーメンに載せると、自家製チャーシュー麺が完成した。

近所のスーパーで手に入る食材だけで作ったラーメン

ドバイモールで豚肉発見!

世界一のショッピングモールとも言われるドバイモールには、イギリスの高級スーパー、ウェイトローズ(Waitrose)があり、ここにも豚肉の部屋があった。豚肉を使った総菜も充実していて、ありがたい!

ドバイモールの様子

まとめ

たかが豚肉、されど豚肉。ここがサウジなら豚肉を食べられるなんて絶対にありえないことだ。赴任先がドバイで本当に良かったと、つくづく思うのであった。

大手スーパーのカルフールや、インド系のスーパーマーケットLuLu、ディスカウントストアDay2Dayについてもまとめていくので、ドバイの生活情報として役立ててもらえれば幸いだ。



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