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2025年上半期読書 1月(一言感想つき)

2025年1月は産休に入ったこともあり、のんびり散歩して、近所のカフェや食堂にごはんを食べに行って、図書館に行って本読んで……と、「おいしいものを食べる」「本を読む」という私の大好きなことばかりできた幸せな月だった!
いや〜ほんとうに幸せ。幸せ。

調子に乗ってたくさん本を読んでしまったので、普段は3ヶ月ごとにアップしている短め読書感想文まとめを当月1ヶ月分のみであげておきたいと思います。
長〜い感想文になりそうなものは、また別な単体記事としてアップします。

▼「長〜い感想文(予定)」にするのは、これらの本

  • 知の英断

  • 人類の未来

  • くもをさがす【🆙済】

  • あなたがあの曲を好きなわけ

  • 40歳を過ぎたら生きるのがラクになった

  • 収容所から来た遺書

  • 日記の練習

  • 漢詩の美しい言葉


2025/1

📙時産|マキ

生活を整える本。つくった時間に何かを詰め込む「時短」ではなく、その時間を自分のために生かす「時産」。時間を生むための方法は既知のことも多かったけど、その考え方が良いなあと思った。

📙暮らしは今日も実験です|本多さおり

これも生活を整える本。本多さんの著書は、こだわりと現実のバランス感が良くて以前から手に取ることが多かったが、「母」になってからの著書は今回はじめて読んだ。著者のスタンスは「私は暮らしが大好きです。」という冒頭の言葉通り、きれいに暮らすではなく、気持ちよく暮らすというコンセプトが終始一貫していて、心地良い。

📙風と共にゆとりぬ|朝井リョウ

「朝井リョウさんのエッセイを読む」という健康法があるのではないかと思うほど笑った。毎日2章ほど読んでから就寝するとよく眠れる。文筆の才溢れるプロ作家の手によって提供される他人の身にふりかかった事態をなんの責任もなしに摂取して笑い転げる。こんなバカらしく幸せなことってあるだろうか? 相手のことを考えに考えた結果、チョイスが迷走しまくる「大好きな人への贈り物」が、私にとってのこの本のザ・ベスト笑いでした。

そういえば、さくらももこさんとか土屋賢二さんのエッセイが好きだったなあ。中学生の頃だけど。『正欲』と『生殖記』は読みたいと思っているけど、他のエッセイも読もうっと。

📙払ってはいけない|荻原博子

どうすればお金が儲かるかではなく、どうすれば損をしないかという部分に主軸を置いたマネー本。当然、この本に書いてあることは、すべての項目がすべての人に当てはまるわけではない。

結局「お金のことは自分で調べ、考えて結論を出す」しかないのだと思う。
その点で私は「お金のことはプロに相談してはいけない」の章に一番同意する。特定の企業に属する以上、親身に相談に乗ってくれても「他者の人生を損得抜きに考えてくれる人」ではない。「自社の商品を売る人」だ。ただしセールスマンであるとしっかり認識した上でその人の「商談の進め方」見ていると、商品のトレンドや世間一般の需要など得られるものもたくさんあるので、話を聞くのも無駄ではないと思う。

📙おうち性教育はじめます〜思春期と家族編|フクチマミ , 村瀬幸浩

中2の長男、小5の長女はまさに思春期。といっても二人ともものすごくあけっぴろげに喋るし、そんな感じはあんまりないんだけど。

思春期の親にできることは二つあるという「家庭内で体の調子や心配ごとなどを話しやすい関係作りをする」「親自身が性について学んでアップデートしていく」
一つ目については、比較的「自分から言いたいことは語っていいよ」の雰囲気が作れていると思う。親子・家族であっても、やらないほうがいいことはその場で誰かが指摘しているし、ニキビ・脱毛・生理といった第二次性徴期特有の悩みもかなりオープンに話している(問題がなければ家族全員で、センシティブな部分は当人だけに)。
二つ目は自分自身はジェンダーやフェムケアなどアップデートしているつもりはある。子どもたちに「昭和だね」と言われたり、私が子どもに「令和なのにそんなこと言っていていいの?」というツッコミ合いはかなり日常茶飯事。お互いに気づいた時に気づいたことを述べられる、意見を交わせる環境ではあるかなと思う。

性教育の目的とは、「性」というものを曲解せずに自分自身を好きでいられるようにすること、自分に降りかかる危険(性犯罪など)をあらかじめ回避できるようすること、人生のパートナーを尊重して大切にできる人間になることを手伝うことだと思う。これからも子どもたちとは「ちょっと言いづらいけど、話せる」関係性をつくっていきたい。

📙間取りのお手本|コラボハウス一級建築士事務所

長女が「間取り図」を書くことにハマっている。ので、一緒に図書館に行っていくつかの間取り本を入手してきた。実は私も小学校高学年〜中学生時代に間取りを書くことにハマっていた過去があるのだが、そのことについて何も言っていないのに長女が同じことをやり出したので驚いている。長女は私と一番感性が近いなと常々思ってはいるけれども(ちなみに性格が似ているのは次女)。

以前、『間取りの手帳』がヒットしているのを見て、「ああこれが企画アイディアってやつか」と思った記憶がある。自分の好きを世の中一般に向けて「楽しそうに」「欲しくなるように」企画・編集できるってすごい。

📙ことばと国家|田中克彦

1981年刊行。どこかで書名を見かけて読もうと思ったのだろうけど、こういう類の本はあまりに古いものには手を出すべきではなかったと思う。あまりにもその学問が置かれる状況が違いすぎるので。

著者は社会学的な見地から、当時、言語学と呼ばれる学問が「正統性のある母国語」と呼ばれる種の言語の、国家が規定した文法規則のみをひたすら正とするような研究をしていること、そしてそれが無意識下で差別的思想を助長していることを批判している。言葉は新しい歴史的状況(意識の変化)に適応するために絶えず変化するものであるにも関わらず、主に植民地などで発達する亜種言語や方言は「劣等」「誤ったもの」としてしか処理・理解されないことへの不満。ソシュールの没歴史言語学の態度こそが言語学の態度として相応しいという主張はその通りだと思う。「そういうことを改めて指摘しなければいけない時代だったのかあ」という感想を抱く。

📙悟浄出立|万城目学

中国古典を素地とした二次創作。読者が背景をある程度把握している前提があるから、余計な説明なしに、端的にめちゃくちゃいい場面を良い物語に万城目さんが昇華してくれていて、テンポ良く気持ち良く読める。

万城目流に解釈された登場人物の生き様がじんわりくる! 中島敦の『わが西遊記』は未読なのでぜひ読みたいし、吉川英治の『三国志』や司馬遼太郎の『項羽と劉邦』も再読したい。『西遊記』『史記』も目を通しておきたい。
そういえば中高生時代に皇なつきさんにハマって『始皇帝暗殺』読んだなあ。とにかく絵が美麗だった…と、中国古典愛に久しぶりに火をつけてもらいました。

📙人は話し方が9割(2)|永松茂久

書名を至る所で目にするので、図書館でぱらっと読んでみた。総括すると「コミュニケーションは他者にどう受け止められるか想像をはたらかすこと」ということかな。ほんの些細なことでも心に傷を負ってしまう世の中なので、「苦手な人は避けていい」という本書の入り口で救われる人も多いのではないかと思う。というか、著者の経歴が面白くてそっちのほうが気になる。

📙悶絶スパイラル|三浦しをん

文体とノリが懐かしい感じ。二昔前──約20年前の著書なので、その頃の私(10代)をじんわり思い出すような。
オタク女子ノリとの久々の邂逅! あの頃のトキメキが再燃! うれしい!
あげているヒーローの好みが自分(の中高生の頃)とドンピシャで、これまたわかる、わかるw

本質的には熱くて心優しいんだけど、皮肉屋(ここが重要)な男が好き

創作中の人物への恋はとことんファンタジーじゃないとね!
『本屋さんで待ちあわせ』も読みたいなあ。

📙本屋さんで待ちあわせ|三浦しをん

ということで、図書館でちょうど見かけたので借りてさっそく読んでみた。
書かれている本、もれなく手に取りたくなる。特に一章の書評エッセイは本の紹介と著者のエピソードの発露のバランスが最高で抜群におもしろく、私は、日常エッセイよりこちらの方が好みだな。

三浦さんにはたくさん推し作家がいそうだけど、自分が昔、夢中になった作家さんが出てくるとその頃の一つ一つの記憶が呼び覚まされていくような感覚を覚えた(最近は特定の作家さんに集中した読み方をしないのでなおさら)。私もこのnoteで、過去どハマりして大好きだった作家さんについて語りたいな〜という思いにかられる。

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