読書感想【エリア88】
今回はエリア88を読みました
作者は新谷かおる先生です
1976年~1986年連載
全23巻
親友に裏切られた主人公のシンは、中東の傭兵部隊に編入され、戦闘機乗りのパイロットとなってしまう
飛び立てば再び生きて地面に立てる保証は無く、戦闘機が棺桶になってしまうかもしれない
部隊から離れるには、3年間の任期を終えるか敵機を撃墜した報奨金を集めて300万ドル払うかのどちらしかない
地獄のような日々、帰りたいと念じながらシンは戦闘機に乗り続ける
つい最近、全巻読了しました
本音を言いますと、名作だとは知っていたのですが、絵柄が昔の少女漫画ぽくて敬遠していました
昨今の戦争の話がチラホラ目や耳に飛び込んできて、なんとはなしに手に取りました(電子書籍で読みました)
感想を申し上げますと、食わず嫌いでした
画風に騙されてはいけません
この作品は重厚な戦争を表現したミリタリー漫画です
仲間やら敵やらたくさん死にますし、敵の新兵器が登場したり、自分の乗機が撃ち落とされて負傷したりもします
基地を守るために絶望的な戦場に挑んだり、戦闘機の整備不良で危機に陥ったりハラハラドキドキします
主人公のシンの心理描写も秀逸です
離れ離れになった恋人への想いと、自分を裏切った親友への恨み
同じ空を飛ぶうちに芽生えた同僚達への仲間意識
一刻も戦場を離れたいと思う気持ちと、戦友達を見捨てられないと思う気持ち
日常に戻りたいと思う心と、戦場に染まっていく心
この両者のせめぎ合いが漫画へのスパイスになっています
この漫画は戦闘機の知識が無くても楽しめると思います
あったらより楽しめるのは確かですが、無かったとしても楽しみを損なうことはないと断言できます
自分も戦闘機の知識なんて、ゼロ戦とかグラマンとか、ポピュラーな機体しか知りませんし(ゼロ戦はプロペラ機で、登場機体のほとんどはジェット機です)
メカニカルな要素がこれでもかと盛り込まれつつ、恋愛要素や復讐要素が含まれた人間ドラマがあり、見所がたくさんある漫画です
興味を持ちましたら、ぜひ読んでみてください
あ、新谷かおる先生は男性です
それでは~
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